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リンカーン

 
南北戦争が始まって4年が過ぎた。 1865年再選されたアメリカ合衆国第16代大統領・エイブラハム・リンカーンダニエル・デイ=ルイス)は泥沼の戦争を終わらせようとすると同時に、かねてからの奴隷制廃止をどうしても実現したかった。
奴隷制廃止の信念を持った彼が大統領に就任すると、南部の州が猛反対、そして対立は激化し戦争となっていった。 しかし彼は1962年9月、連邦軍の戦っていた南部連合が支配する地域の奴隷たちの解放を命じた。 いわゆる”奴隷解放宣言”である。
北軍の兵士にも多くの黒人が参加していた。 直接大統領に感謝の気持ちを述べる兵士は、黒人、白人にかかわらず多かった。 そういう機会には丁寧に意見を聞き、ユーモアを交えて応えるリンカーンであった。 彼は奴隷制度を永遠に葬り去る合衆国憲法修正第13条を下院議会で批准させるまでは戦いを終わらせないという強い決意があった。
しかしそれには彼の所属する与党共和党の、保守勢力の賛成がまず必要だった。だが下院では3分の2の賛成を取る必要のため、野党民主党からの賛成者も20名必要としていた。 そして彼のアメリカにおける歴史的な戦いが、両面で始まるのだった…
 
やっと見てきましたが、アメリカの父というリンカーンとはということの一部を勉強させてもらった作品ですね。
アメリカ国民に歴代大統領の人気投票をすると、大体1位になる存在ということですが、この作品を見るとなるほど頷けますね。 奴隷制ということが世界的に当たり前の世の中で、まず一石投じた議員時代、それを経て大統領になるといよいよ奴隷解放宣言を行い、そして13条修正案可決に持っていく執念、行動力、胆力は凄まじいものがあります。
なんとなくスピルバーグが描こうとしている気迫などは感じることはできました。 映画作品としては、確かにすごいなとは思うんですが、正直日本人の視点で見てみると、やはりアメリカでの物語、歴史という側面が強すぎる感じがしました。 妻のサリー・フィールド演じるメアリーとのやり取り、共和党でのライバルでトミー・リー・ジョーンズ演じるデウス・スティーブンス、また側近であり国務大臣デヴィッド・ストラザーン演じるウィリアム・スワードとのぶつかり合いなど、迫力のあるやり取りはさすがスピルバーグですが、大作の中、何か”他人事”として観ている自分がいるようでした。
世界史上近代では一番大きかったであろう内戦の南北戦争、これさえもやはり私にはピンとこなかったのが正直なところでした。 冷静に見ると今のアメリカにおける自由と平等を根付かせた偉大なる大統領ですが、私にとってはもう少しリンカーンの長い人生の作品の方が心に響いたかもしれません。 アメリカ人はこの作品を合衆国の大きな歴史として感動するんでしょうかね? 何とも言い表しづらい作品でした。
 
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信念を持ったリンカーン
 
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ライバルのスティーブンス
 
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激化する南北戦争
 
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訴える妻のサリー
 
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対峙するふたり
 
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