2024年作品、バオ・グエン監督。
1985年1月25日、アフリカ飢饉救済のため、多くの有名ミュージシャンたちがロサンゼルスのスタジオに集まり、1曲の歌をレコーディングした。 その歌を共作したのは、20世紀を代表するミュージシャンであるマイケル・ジャクソンとライオネル・リッチー。 本作は、計画の初期から、2人の楽曲制作のセッションの様子、「ウィ・アー・ザ・ワールド」が録音された有名なヘンソン・スタジオ(元A&Mスタジオ)の舞台裏まで、未公開映像と共に振り返る。 また、ライオネル・リッチー、ブルース・スプリングスティーン、スモーキー・ロビンソン、シンディ・ローパー、ケニー・ロギンス、ディオンヌ・ワーウィック、ヒューイ・ルイスらが、ミュージシャンやエンジニアなどの制作スタッフと共に、音楽史上に残る一夜を回想する。
監督はバオ・ヌエン、初めての監督でした。
マイケル・ジャクソン、ライオネル・リッチー、スティービー・ワンダー、そしてクインシー・ジョンズ。 1980年代に音楽界を牽引した4人が中心になってできた超ビッグプロジェクト。 まさに夢の共演のレジェンドオールスターの総結集でした。
しかしこういう世界的なチャリティプロジェクトの先頭を切ったのはイギリス音楽界でした。 イギリスとアイルランドのロック・ポップス界のスーパースターが集まって結成されたチャリティー・プロジェクトの“バンドエイド“が、先んじて「Do They Know It's Christmas?」(ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス)が最初の衝撃でした。
これは凄い! そう感じた私は狂喜乱舞しましたが、同時に、アメリカ音楽界はどうするのか? それも気になりましたね。
そして上記の4人が中心となって、「USAフォー・アフリカ」が始ります。
今作は当時の公開されたメイキングをさらに未公開シーンと、今のアーティストが当時を振り返る映像をプラスしたほぼ完全版のドキュメンタリーでしたね。
ここで感じたのは、どのタイミングでみんなを結集させるか? でしたね。 当時開催されていた“アメリカン・ミュージック・アワード“の直後で、比較的多くのミュージシャンに集まりやすい時間帯、そしてツアーとかで会場にいない人たちには事前にOKをどこまで取れるのか? という一点でした。
しかしそれは、授賞式、ライブの高騰感が却ってマイナスとなりお祭りムードになっていたということ。 そこに喝を入れたのが、バンドエイドの発起人のボブ・ゲルドフだったということが明かされています。 当時のメイキングではゲスト的な呼ばれ方くらいにしか描かれませんでしたが、本当は、気合を入れてくれ、アフリカの惨状を心を込めて伝えてくれた、それによってあの神がかった曲ができたと思います。
当時曲を聴いて涙が溢れたのはこの曲が初めてでした。