1968年作品、黒田義之監督、青山良彦 川崎あかね 大川修 内田朝雄出演。
1751年(宝暦元年)、時は江戸時代、古代バビロニヤのウル遺跡に忍び込んだ墓荒らしたちは、凶悪な吸血妖怪「ダイモン」(橋下力)を4,000年の眠りから目覚めさせてしまう。
漆黒の塊に姿を変え、雷鳴とともに南蛮船に取り憑き、日本に上陸した妖怪は伊豆の地に降り立ち、たまたま居合わせた代官・磯部兵庫(神田隆)を襲って吸血しこれを亡き者とし、憑依した。 代官に成り代わった妖怪は、仏神の威光をすべて拒んで神棚仏壇の類をすべて壊し、家来の一人、川野左平次(木村玄)もダイモンの分身に憑依されてしまう。 以後、その地方の若い娘・子供を屋敷奉公の名目で呼びつけ、これを吸血し命を奪い、逆らう者はすべて処刑し、人々を恐怖のどん底に陥れてゆく。
磯部の豹変を妖怪変化の仕業と見た、家来の真山新八郎(青山良彦)は、磯部の一人娘・千絵(川崎あかね)の身を案じ、叔父の修験者・大日坊(内田朝雄)に助力を乞う。しかし、怨敵退散の祈祷と夜を徹しての護摩焚きもダイモンには通じず、大日坊は殺されてしまう。
一方、磯部が勤める代官所の庭池には、ひょうきん者の河童(黒木現、声:飛田喜佐夫)が1匹、主として長い間棲み続けていた。 彼は信心善行深かった代官の悪変を不思議に思い、すぐにもその正体を禍々しき妖怪であると見抜く。 そして、この不愉快な余所者を取り除こうと戦いを挑みはしたものの、あえなく撃退されてしまう。
古寺に駆け込んだ河童は、仲間の妖怪にダイモンの襲来を告げるが、誰もこれを信じない。 そこに、代官の家来に追われた子供たちが逃げてきて、油すまし(別府敏保)ら妖怪たちが助ける。 子供たちの話をきいて、ようやく妖怪たちは河童の言葉を信じ、青坊主(暁新二郎)と雲外鏡(花村秀樹)の力で「バビロニアの妖怪・ダイモン」と敵の正体を知る。 そして、妖怪たちは磯部の配下の者たちを脅かして、追い返す。
妖怪たちは磯部の屋敷に入り込み、監禁されていた女・子供たちと入れ替わる。 村娘に化けたろくろ首(毛利郁子)は、ダイモンと戦うがやぶれる。 他の妖怪たちもダイモンと戦うが、手も無く敗れ、散々な目に遭わされてほうほうの体で逃げ帰る。
以前、大映妖怪作品 https://anttiorb.hatenablog.com/entry/8143521 でお正月記事できましたが、1本だけで再編集して記事にします。
監督は黒田義之、「大魔神」シリーズ https://anttiorb.hatenablog.com/entry/13977464 では特技監督を務めていましたし、この妖怪3部作でも、色々参加していました。
主演は人間側で青山良彦、「大魔神」 https://anttiorb.hatenablog.com/entry/13977464 に出演していました。
川崎あかねは今作がデビュー作、いろんな作品で見る女優さんですが記事にした作品はありませんでした。
ダイモン役は橋下力、彼と言えば大魔神役ですね。 あの目力!今作でも生きています。
物語は、バビロニアの墓荒らしが、吸血妖怪を蘇らせてしまうところから始まります。そして南蛮船に取り憑いたことで日本にやってきます。 その地が伊豆でした。 この地を治めている磯部兵庫は、民衆から信の篤い代官でしたが、血を吸われ体を乗っ取られてしまいます。 そして外見は変わらない磯部が豹変し、いきなり神仏を蔑ろにし、部下たちは戸惑います。何よりも驚いたのが娘の千絵で、さらに家来の佐平次まで人間が変わってしまいます。
しかしそれを見破ったのが、屋敷の池に住み着いていた河童でした。 すぐに正体を見抜き、追い出そうとしますがあっさり負けてしまい、仲間の妖怪たちに助けを求めますが。
今作は、前作の「妖怪百物語」から受けてのバトルものですね。 妖怪たちのテイストも一緒で、着ぐるみやキャストも引き続き演じているメンバーも多いですね。 怪談テイストだった前作に比べ、コミカルな戦闘ものですが、小さい頃からテレビで放送されると必ず見ていました。
今のCG全盛の作品もテンポはいいんですが、この手作り感でここまでのテイストを出した大映には敬意を評しますよ。