anttiorbの映画、映像の世界

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妖怪百物語、妖怪大戦争、東海道お化け道中

1968年作品、安田公義監督、藤巻潤、高田美和出演。

人気のない森の中を歩く男、ざわざわと木々が揺れる、その向こうに大きな目が、そして毛むくじゃらの大きな化け物、必死にもがいて逃げようとするがびくともしない、気がつくともう朝になっており、周りにはなんにもない。
そんな話をし終わるとロウソクの明かりを消す。 そして百の話が終わると、憑き物落としをしないと妖怪が現れるという、これが 「百物語」 という。
長屋の立ち退きを迫るヤクザ物たち、先頭に立って、立ち退きを迫るのが重介(吉田義夫)。 必死に長屋唯一の侍・大木安太郎(藤巻潤)に助けを求めるお仙(坪内ミキ子)だが、昼行灯の安太郎は腰を上げない。
じわじわと立ち退きを迫るのは但馬屋利右衛門(神田隆)、重介達を使いここに岡場所を作るつもりであった。 
但馬屋の一人息子はちょっとおつむの足りない新吉(ルーキー新一)、しかし彼が最初に妖怪を見るのだった。 長屋の人間は集まってこの問題を話し合っていた。 
大家の借金の方に長屋を明け渡せと言われていることが、はじめてわかった住人たち。 殴られた伍平(浜村純)が亡くなった。 そこで安太郎が初めて動き始めた。 彼はただの浪人ではないようだ。 長屋は立ち退かされてしまうのだろうか?・・・


1968年作品、黒田義之監督、青山良彦、川崎あかね出演。

1751年、時は江戸時代、古代バビロニヤのウル遺跡、ここには凶悪な化物がいると言われていた。 しかし時は流れ墓荒らし達が忍び込むようになっていった。
掘っていると何やら杖のようなものを見つけた、そのとたん地震が起き、空は荒れ青白い靄が出てきた。 そこに現れたものは異様な形相の大きな怪物だった。
そう凶悪な吸血妖怪「ダイモン」を4,000年の眠りから目覚めてしまったのだった。 墓荒らしたちはあっという間に殺され、ダイモンは空高く飛び立ち目指したのは遥か彼方の日本であった。
海釣をしていた代官・磯辺兵庫(神田隆)の前に現れたダイモンは彼を殺し体を乗っ取った。 今まで人格者だった父が突然豹変したのに驚いた娘・千絵(川崎あかね)、真山新八郎(青山良彦)は、ほんとに磯辺兵庫なのか疑い始めるのだったが、証拠がない。
そして、そばに使える家臣たちもどんどん変わっていくのだった。 神棚を壊し、暴れる兵庫。
その姿を見ていたのは屋敷の池にいた河童だった。 河童には兵庫の主体が見えていた。しかしダイモンの力は強く河童は散々な目にあわされ逃げ帰ってきた。 そして妖怪の仲間たちに報告するのであった・・・



1969年作品、安田公義、黒田義之監督、本郷功次郎主演。
古びた祠を拝んでいる老人・甚兵衛(左卜全)に因縁をつけるヤクザ物数人。 甚兵衛は鬼塚の塚守だったが彼はヤクザ風の男達に言うのだった。 「ここで殺生をしてはいけない。 そんなことをすればどんな禍が起こるかしれない。」
しかし男たちは甚平を切りつけた。 そこに現れた仁兵衛(玉置一恵)の懐の書付が目当ての男たち、連れの長助(暁新二郎)が用心棒に切られ、仁兵衛も切られた。 しかし不思議なことに書付が風もないのに飛んでいくのだった。 慌てて捕まえたヤクザの親分・火車の勘蔵(山路義人)は、姿を消した宮守を探すことにしたが、懐をみると書付がない。
そこに現れた女の子・お美代(古城門昌美)がもっていると思い追いかける一団。 お美代は甚兵衛の孫だった。 しかし瀕死の甚兵衛はお美代に父を探しに行けといって息絶えるのだった。 父の名前は 「とうはち」 という。
お美代は由比宿を目指してひとり旅立つのだった・・・

 
皆様明けましておめでとうございます。 本年もよろしくお願いいたします。
さて、お正月らしく?懐かしい3部作です。 大映京都撮影所で撮られた妖怪作品です。 このなかで 「妖怪大戦争」 はリメイクされましたね。
ガメラシリーズと併映だったので、幼かった私は確か劇場で見たものもあるかもしれません。 しかし結構テレビで放送していましたので、その方がよく見ていたかもしれません。
上記2作は何度も観ましたが、最後の 「東海道お化け道中」 はあまり記憶がなかったので、今回また再見しました。 確かに前2作に比べると妖怪の登場が減り、造作もちょっと変わっているものもあるんですね。
しかし3作に共通するテーマは勧善懲悪なんですね。 悪さをする者を懲らしめる。善人達には危害を加えない。 異形な正義の味方なんです。 
これはプラモデルも発売され、結構リアルな妖怪たちも飾ることができたはずです。いくつか以前フリマで手に入れましたが、今はどこかに・・おそらく処分されてしまったんでしょう。
「妖怪百物語」 は長屋の立ち退きを迫る悪人を懲らしめる妖怪たち、「妖怪大戦争」は外敵ダイモンを全国の妖怪が集結し、撃退するという日本対外国の妖怪版、そして最後の 「東海道お化け道中」 はこれが結構涙ありの人情噺なんです。 物語としてみても何かいい作品でした。
時代劇も好きなので、ポイントの妖怪の出し方がよかったですね。 懐かしの左卜全も出ていて私は一番面白かったです。 のんびりとしたお正月を過ごしながら、懐かしの大映作品はいかがでしょうか?