anttiorbの映画、映像の世界

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フェアウェル

2019年作品、ルル・ワン監督、オークワフィナ ツィ・マー ダイアナ・リン チャオ・シュウチェン出演。

ニューヨーク。 ビリー・ワン(オークワフィナ)は物書きになることを夢見て日々奮闘していたが、グッゲンハイム・フェローから選外になったという通知が来て落胆していた。

そんな折、ビリーは両親(ツィ・マー、ダイアナ・リン)から長春で暮らす祖母のナイナイ(チャン・シューチェン)が末期の肺がんで余命幾ばくもないという事実を知らされた。 両親は医者と結託してその事実をナイナイに知られないように努めており、彼女には「良性腫瘍が見つかった」と嘘の説明をしていた。
ナイナイの親戚たちはハオハオ(チェン・ハン)が中国で結婚式を挙げることを口実に一堂に会することにし、ナイナイと最後の思い出を作ることにした。 両親はビリーがナイナイに真実を告げるのではないかと思い、彼女にニューヨークに留まるよう言いつけたが、ビリーは言いつけに背いて長春へと向かった。

ビリーは両親と口論になりかけたが、ナイナイに真実を伝えないと確約することで事なきを得た。 そうは言ったものの、長春滞在中、ビリーは「ナイナイに嘘をつき続けるのは不誠実なのではないか」と悩み続けることになった。


本作は苦悩するビリーの姿を通して、東洋と西洋という二つの世界を跨いで生きるとはどういうことなのかを描き出しているんですね。
監督はルル・ワン、長編二作目が今作になるようです。
主演はオークワフィナ、「ジュマンジネクスト・レベル」 https://anttiorb.hatenablog.com/entry/2019/12/30/060000 に出演していました。
ツィ・マーは、「タイガーテール ある家族の記憶」 https://anttiorb.hatenablog.com/entry/2020/04/26/060000 が近作ですね。
日本人女優として水原碧衣が出演しています。日本ではあまり見かけない女優さんですが、堪能な中国語を封印して、逆に中国語が理解できていない女性、従兄弟の嫁を演じていました。


物語は、アメリカに移住した中国人一家のお話です。 娘のビリーは30歳を過ぎ、なかなか物書きとして認められない生活をしています。 生活も決して楽ではなく、そんな時両親が中国に里帰りをする話を聞きます。 従兄弟の結婚式に出席すると言うことですが、ビリーは来るなと言われます。 こんな時だから帰って、仲のいい祖母のナイナイに会いたいビリーでしたが、どうして?
その訳は、ナイナイが末期癌だと言うことで、ビリーはすぐに表情が顔に出てしまうからと言う理由でした。 中国では癌のことを本人には知らせず、死期が本当に迫った時まで伏せておくのが慣習でした。 しかしもしかしたらもうナイナイに生きているうちに会えないかもと思ったビリーは、強引に中国に帰ります。 驚く両親に、絶対顔色を変えないといい、結婚式に参列することになります。 最愛の孫の帰郷を喜ぶナイナイでした。


今作は、いろんなところが見えてくる作品ですね。 中国からアメリカに移住して、成功をしたいという移民家族、そしてアメリカで育ち自由の国で育つ中国系の子供たちが、中国の風習に馴染めないところ。 さらには日本で育った従兄弟の何か優柔不断さ。 でもルーツが一緒ということは、今は別々に分かれている家族の中に何か通じるものも感じます。
そして最後はちょっとほっこりするラスト、人間はある意味そう簡単には死なないのかもしれませんね。


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両親に反して中国に来たビリー

 

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最愛のナイナイに会うため

 

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決して顔色を変えないと

 

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両親に言う

 

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英語で真実を担当医に聞くビリー

 

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ナイナイは孫の結婚式を盛大にやろうと奔走する

 

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