2019年作品、アントナン・ボードリー監督、フランソワ・シヴィル オマール・シー マチュー・カソヴィッツ レダ・カテブ出演。
フランス海軍の攻撃型原子力潜水艦「チタン」でソーナー員として勤務するシャンテレッド(フランソワ・シヴィル)、通称ソックスは、並外れた聴力を活かし敵の動向を探るという重要な役割を担う「黄金の耳」の一人だった。
シリアでの特殊部隊輸送任務中、ソックスは正体不明の音を聴くが艦艇か動物か識別を誤ってしまう。 その結果、シリア軍の対潜ヘリコプターからの攻撃を受けた「チタン」は危機的状況に陥るも艦長であるグランシャン(レダ・カテブ)は浮上して携行地対空ミサイルによる迎撃を行い、ヘリの撃墜に成功。 帰還する特殊部隊の収容を終え、任務を成功させ、ブレスト港に帰還する。
フランス海軍はロシアから圧力を受けるフィンランドを支援するために艦隊を派遣することを決定し、フランス・ロシア間の関係が悪化する中、グランシャンは戦略ミサイル原潜「レフローヤブル」の艦長に転属。「チタン」の後任は副艦長であったドルシ(オマール・シー)が着任する。
ソックスはミスに関しては信頼の厚いグランシャンから咎められることはなかったが黄金の耳としての役割を軍上層部から疑問視され、任務を外されそうになる。 彼は独自に自分の聞いた音声パターンを調べていき、それがティムールIII型というロシア製潜水艦の物であることを突き止めるが上官のパソコンから機密情報を勝手に閲覧するなど越権行為を多数行ったために逮捕されかかる。
しかし、グランシャンの計らいで「レフローヤブル」のソーナー員に抜擢される。 ところが、直前になって尿検査で大麻が検出されたことで結局「レフローヤブル」の乗員から降ろされることになってしまう。
居場所を失い、自棄になって軍をやめようとするソックスだったがその直後にロシアの戦略ミサイル原潜が弾道ミサイルを発射という緊急事態に遭遇する。 フランス政府は報復に核ミサイル攻撃を敢行する指示を戦略ミサイル原潜部隊に指示する中、司令部に居合わせたソックスはロシアの弾道ミサイルの軌道などおかしな点を見つけ、核弾頭が非搭載であることを見抜く。
ALFOSTの提督はソックスの調査から関係各所と調査した結果、ロシアが裏で売却していた戦略ミサイル原潜を入手した中東のテロ組織が核弾頭非搭載のミサイルを発射し、フランスにロシアに本物の核ミサイルを撃たせ、核戦争を誘発させようとしていたことを突き止める。
この作品は地味ですが、深くて面白かったですね。
監督はアントナン・ボードリー、初監督でしょうか?
主演はフランソワ・シヴィル、初めて出演作を見るようです。
レダ・カデブは、「永遠のジャンゴ」 https://anttiorb.hatenablog.com/entry/15261170 を記事にしています。
オマール・シーは、「野性の呼び声」 https://anttiorb.hatenablog.com/entry/2020/03/12/060000 に出演していました。
物語はフランスの原子力潜水艦のお話です。 チタン号はグランシャン率いる攻撃型潜水艦で、その中にソックスと呼ばれる黄金の耳を持つシャンテレッドがいました。 艦長の信頼も厚く、シリア軍の対潜ヘリを撃破し任務をなんとかこなし、帰還しました。
そしてグランシャンは新鋭艦のレフローヤブルの艦長となり、チタン号の艦長は副官のドルシがつくことになります。 そして、レフローヤブルファ初めての運転を始めた時、いきなりロリアの弾道ミサイル発射の方が届きます。 そしてフランス大統領からレフローヤブルに、迎撃ミサイル発射の命がくだされますが、しかしその直後それはフェイクで、核弾頭がなく、中東のテロ組織の陰謀であることがわかります。
そしてレフローヤブルを止めるためにチタン号が発進します。 そこには、マリファナ吸引が発覚したソックスが乗り込むことに。 しかし一旦大統領令が出た限りでは、もう後戻りはできない、レフローヤブルのグランシャンも副官も命の賭けて命令遂行をするため、一切の通信を遮断し始めるんですが。
今作は潜水艦の中という閉鎖的で地味な環境なんですが、見どころ満載の秀作ですね。第3次世界大戦を引き起こそうとする、中東のテロ組織、さらには核ミサイル発射の命令の重さ、それを遂行する人間の心理状態、なかなか日本では、邦画では味わえない感覚を持たせてくれます。
日本ではこういうシチュエーションはありませんからね。
ソックスに信を置くグランシャン
そしてシリアのヘリを撃墜するため
艦橋に出てロケット砲を
ソックスは大麻が見つかり
剥奪されてしまう
しかし、中東テロ組織の陰謀阻止のため、チタン号に