anttiorbの映画、映像の世界

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砂の器


六月二十四日早朝、国鉄蒲田操車場構内に扼殺死体が発見された。 被害者の年齢は五十~六十歳だが、その身許が分らず、捜査は難航をきわめた。 警視庁の今西栄太郎刑事(丹波哲郎 )と、西蒲田署の吉村正刑事(森田健作)らの必死の聞き込みによって、前夜、蒲田駅前のバーで被害者と酒を飲んでいた若い男が重要参考人として浮かび上った。
そしてバーのホステスたちの証言で、二人の間に強い東北なまりで交わされていた“カメダ” という言葉に注目された。 カメダ……人の姓の連想から東北各県より六十四名の亀田姓が洗い出されたが、その該当者はなかった。 しかし、今西は 「秋田県・亀田」 という土地名を洗い、吉村とともに亀田に飛ぶが、手がかりは発見できなかった。
その帰途、二人は列車の中で音楽家の和賀英良(加藤剛 )に逢った。 和賀は公演旅行の帰りらしく、優れた才能を秘めたその風貌が印象的だった。
八月四日、西蒲田署の捜査本部は解散、以後は警視庁の継続捜査に移った。 その夜、中央線塩山付近で夜行列車から一人の女が白い紙吹雪を窓外に散らしていた。 その女、高木理恵子(島田陽子)を 「紙吹雪の女」 と題し旅の紀行文として紹介した新聞記事が、迷宮入りで苛だっていた吉村の触角にふれた。
窓外に散らしていたのは、紙なのか? 布切れではなかったか? 早速吉村は、銀座のクラブに理恵子を訪ね、その事を尋ねるが、彼女は席をはずしたまま現われなかった。 だが、その店に和賀英良が客として現われた、和賀英良。
和賀は音楽界で最も期待されている現代音楽家で、現在 「宿命」 という大交響楽の創作に取り組んでいる。 そしてマスコミでは、前大蔵大臣の令嬢田所佐知子との結婚が噂されているのだった・・・

原作は松本清張、有名な作品の映画化です。
監督は野村芳太郎、記事にした中では 「八つ墓村」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/15234552.html でしょうか。
主演は丹波鉄郎、メーンの刑事役ですが、若々しいですね。 一番最近記事にした作品は 「鬼龍院花子の生涯」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/15458950.html ですがこれはちょいやくでしたね。
そして森田健作、今は政治家ですが、記事にした作品は夏八木さんの追悼作 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/9355385.html で取り上げたくらいでした。

物語は鉄道の駅で見つかった死体の捜査から始まります。 難航する中、少しずつ手がかりがでてきますが、決定打にはなっていません。 そして今西刑事は東北に証拠を求めて遠征していきます。
このお話は大変悲しいお話です。 羅病の問題も少しはいっていて、困窮と差別、そしては犯人のたまらない思いが詰まっています。
今西啓二が、犯人の説明を涙ながらでするシーンは、本当にありえるかどうかは別として、同情してはいけない犯人の境遇に繋がっていくんですよね。
日本映画ならではの秀作です。

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今西と吉村

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手がかりを求めて東北に行くが

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そして苦労の末、ある人物が浮かぶ

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それがピアニストの和賀だった

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彼には苛酷な少年時代があった

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