日本軍がハワイ真珠湾を攻撃した翌年の昭和17年6月深夜。 秋田刑務所の独房に、天窓の枠にぶら下がる佐久間清太郎(山田孝之)の姿があった。 そのまま猛烈な懸垂力でガラス窓を押し開き脱獄してしまう。 その犯行は東京・小菅刑務所の看守部長・浦田進(ビートたけし)の耳にも入る。
前年まで小菅にいた無期懲役囚で、浦田が担当していた。 青森でも破獄逃走をした危険人物だが、情に厚い浦田には従順だった。 ところが脱獄から3か月後、佐久間が浦田の家に現れる。 人間扱いしない秋田の看守を訴えてもらうため、浦田に会いに来たという。 しかし隙をついて浦田が通報したことで再び刑務所に収監されることになる佐久間だった。
日本が戦争で苦戦に陥ったことを思い知った昭和18年。 佐久間は網走刑務所へ送られる。 さらに浦田も網走刑務所の看守長として転任が命じられる。 網走に赴く前、浦田は娘の美代子(吉田羊)が働く図書館を訪れ、網走への転任を告げるが、二人の間にはどこか微妙な空気が流れていた。
日本が戦争で苦戦に陥ったことを思い知った昭和18年。 佐久間は網走刑務所へ送られる。 さらに浦田も網走刑務所の看守長として転任が命じられる。 網走に赴く前、浦田は娘の美代子(吉田羊)が働く図書館を訪れ、網走への転任を告げるが、二人の間にはどこか微妙な空気が流れていた。
ちょうど佐久間が油断している時間だという。 案の定、佐久間の手錠が外れているのを発見。 佐久間は暴れるが、浦谷気づくと表情を変え素直に指示に従いだす。さらに浦田は佐久間が隠していた小道具を見つけ出し、網走での最初の脱獄は失敗に終わるのだが。
しかし二人の闘いはまた再開されたばかりだった…
監督は深川栄洋、「神様のカルテ」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/MYBLOG/yblog.html?fid=0&m=lc&sk=0&sv=%BF%C0%CD%CD%A4%CE%A5%AB%A5%EB%A5%C6 の2作はよかったです。
主演はビートたけし、俳優としての出演は 「ゴースト・イン・ザ・シェル」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14853153.html が近作ですね。
物語はある物凄い脱獄囚と、彼と戦う看守のお話です。 佐久間清太郎は無期懲役囚という事で、どうも冤罪の匂いさえするんですね。 しかし時は戦前の軍部の強烈な力の存在の時代。 一旦黒となった囚人に対して、裁判のやり直しなんて難しかった時代なんでしょうか?
ならば脱獄してしまえばいい。 しかしこの佐久間という男は、ただ脱獄するんではなく、冒頭は、あまりの陰湿な看守の扱いを訴えに世話になった昔の看守のところに来てしまうんですね 。
しかし情に流されてはいけないという浦田の行動により彼はまた刑務所に戻って行きます。 まあ法の執行者としては当然の行為なんですが。
しかし、脱獄に賭けてはプロフェッショナルの佐久間、いつでも鋭い人間がいなければ、隙を突くのは簡単という事なんでしょうね。 二人の因縁が開始されていくんですね。
ただ、佐久間の妻はひたすら彼のことを信じているし、無実だと思っている。 そしてどうして牢を抜け出すのかという事に対して、寒いところが嫌だ、という単純な理由を漏らすんですね。
秋田、網走、彼が収監されるところは、おそらく極寒で、彼にとってはまずそれが耐え難いんでしょう。
今作は吉村昭の原作なんですが、どうやらモデルがいるようです ね。 白鳥由栄という人物がそうだと言われており、昭和の脱獄王と呼ばれていたようです。
昔、「板尾創路の脱獄王」という板尾監督自身の主演作を観ましたが、デフォルメしてありますが、どんな環境からも逃げ出すところは似ていますね。
1985年にもNHKでドラマ化されたこの作品、なかなかの人間ドラマでした。
二人の因縁
それはまた始る
誰もが油断する時
それは佐久間の脱獄の時
妻は彼の無実を信じていた