愛する妻と娘との日々を思い返しながら小さな田舎町に向かう六郎。 恋園神社にたどり着いた彼の思い詰めたような姿が気になったお茶屋の女将・玉枝はその跡を追い、そっと傘を差し出す。
夏祭りを控えたある日、25年前に姿を消した父の六郎を探すさつき(倉科カナ)が町にやってくる。 死んだと聞かされていた六郎が生きていると知り、確かめに来たのだった。
六郎のことを知るテキ屋の清太郎(市原隼人)と出会ったさつきは、夏祭りの取材と偽って彼に町を案内してもらうことに。 しかし次第に人の良い清太郎を利用し父親を探そうとしているのが心苦しくなり、町に来た本当の理由を明かす。
六郎たちを傷つけたくないものの、さつきの願いも叶えてあげたい清太郎は、六郎が経営する学習塾、玉枝が営む茶屋、麻衣子が働く恋園神社に案内する。 父に新しい家族がいることにショックを受け、押さえてきた怒りと悲しみを清太郎たちにぶつけるさつき。
そんな中、さつきを探す車海老(トミーズ雅)という男も町へやって来て…
これは良い作品でした、クライマックスは泣けてしょうがなかったです。
監督は宅間孝之、元々彼の劇団で演じられた演目でしたが、小説、そして映画化になりました。 監督作品を見るのは初めてです。 出演作では、「ラーメン食いてぇ!」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/15421884.html でした。
主演は倉科カナ、近作は 「3月のライオン」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/MYBLOG/yblog.html?fid=0&m=lc&sk=0&sv=3%B7%EE%A4%CE%A5%E9%A5%A4%A5%AA%A5%F3 でした。
そして立川談春、もう役者として味を出していますが彼の本業を聞きに行きたいところです。 「忍びの国」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/15011061.html が近作です。
妻役で原田知世、優しい役が多い彼女、しかし今作は芯の強さを併せ持つ女性、彼女の役どころもまた泣けました。
物語は幸せいっぱいの3人の生活だった高島家でしたが、六郎がいきなり姿を消します。 彼はどうやら自殺をしようとしたようですが、そこで出会った身重の女性、彼女が優しく傘をさしかけ、彼はそこで第二の人生を歩み始めます。 その時妊娠していた娘も大きくなり、家を出て一人暮らしをはじめる年齢に。 しかしそんな娘とは最近しっくりいっていない感じ。
季節は、年に一度のお祭りの時期、的屋の清太郎や、日出子、力也もやってきて、しばらくこの街にとどまりますが、しかし清太郎が出会った女性がさつきという女性でした。
カメラマンの仕事をしている彼女はこのお祭りを撮りにきたといいますが、どうも本当の目的は違うようです。 そこでこの街に詳しいという清太郎に取り入り、この町の案内をさせるんですね。 美人の彼女にメロメロな清太郎ですが、日出子たちはやはり彼女はあやしいとにらむんですね。
この作品はどうして六郎が自殺をしようとしたかがわかるとちょっと憤るお話です。 こういう実例はあるでしょうね。 政治の世界は闇ばかり、この家族を引き裂いた罪は計り知れませんが、それでも一生懸命生きている六郎、玉枝、そして的屋のみんな、しかし一番悔しく、悲しかったのがさつきとその母親です。
高島の母娘も、新しい第二の人生で幸福を祈るばかりです。

今は幸せな生活をしている六郎


一人娘の麻衣子は独り暮らしを始めた

そこにさつきがやってきて、清太郎が案内をする


そして謎の男
