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エリザのために

2016年作品、クリスティアン・ムンジウ監督、アドリアン・ティティエニ、マリア・ドラグシ、ヴラド・イヴァノフ出演。

ルーマニアの小さな町に暮らす医師ロメオ(アドリアン・ティティエニ)の気がかりは、娘の進学だった。 成績優秀な娘エリザ(マリア・ドラグシ)にイギリスから留学の話が来ていたが、それは卒業前の今回の試験次第で奨学生の権利が取れるのだった。
試験の1日前、いつものようにエリザを送るため朝の用意をしていると、何者かが石を投げアパートのガラスが割られる。 治安も悪く、将来も見込めないこの国を懸念したロメオ懸念していたことがやはり起きたことで、彼はなおさら娘の将来を心配をする。
途中歩いた方が早いという事で、エリザは途中で降りていく。 ロメオには愛人がおり、その不倫相手のサンドラ(マリナ・マノヴィッチ)のもとに向かう。 サンドラは、英語の教師で、エリザの家庭教師でもあるのだった。 彼女は献身的にロメオを扱ってくれる。
しかしそこに連絡が入る。 それはエリザが暴漢に襲われ、ロメオの病院に運ばれたという連絡だった。 すぐに病院に向かうともう妻マグダ(リア ・ブグナ ル)が駆けつけていた。 今までどこにいたのかと厳しい顔で突っ込まれるが、今はそれよりもエリザのことが心配とごまかし、警察の事情聴取、体の治療が始まる。
エリザはもう処女ではなかった。 しかし暴行はされていず、体液は検出されていないという事だった。 彼女はバイクの運転を習っているマリウス(ラレシュ・アンドリチ)と付き合っているようだった。
警察署長(ヴラド・イヴァノフ)は、ロメオの友人である。 犯人を必ず捕まえるとロメオに約束する。 そこに、似顔絵担当のジェル(アドリアン・ヴァンチーカ)が現れる。ジェルの名付け親である副市長のブライ(ペトレ・チュボタル))が、肝硬変のため、ドナーを探していることを署長に告げる。
卒業試験の日、何とかエリ ザは試験を受けに行くが、ロメオは学校に行き、娘の試験の便宜をはかれないか交渉する。ロメオは、年老いた母親(アレクサンドラ・ダビデスク)を訪ねる。 母親は、孫のエリザの海外留学を心配する。 ロメオは、ルーマニアの現状に不満を漏らし、「エリザはコネでうまくやるタイプではない」 と、海外留学の必要性を母親に説く。
警察では、署長が、エリザと自分の娘の試験の回答用紙を手にしている。 エリザは10点満点の8点で、次の試験で満点をとらないと、留学できないことになる。
ブライは以前、試験委員会の委員長シェルバン(ジェル・コルチャグ)の妻が産休明けで、市役所への再就職の世話をしたことがある。 ロメオは、ある条件と引き換えに、シェルバンを介して、エリザが試験で合格点をとれるよう画策する。
エリザのために奔走するロメオの歯車がだんだん狂って行くのだった…

先日観た 「ありがとう、トニ・エルドマン」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/15048808.html はドイツ・オーストリア映画でしたが、舞台はルーマニアブカレスト。 今作はルーマニア映画ですね。
監督はクリスティアン・ムンジウ、初めて見る監督ですが、これはなかなかすごい作品ですね。
主演はロメオ役でアドリアン・ティティエニ、でっぷりお腹の出た役者さんですが、初めて見ました。 エリザ役はマリア・ドラグシ、彼女は 「白いリボン」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/10319087.html でクララ役をしていましたが、今作では成長した姿を見せてくれました。 また警察署長役のヴラド・イヴァノフは、「「スノーピアサー」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/11083676.html など海外作品にも多く出演歴がありますね。
物語は一人の医師が、娘の進学のために奔走するお話。 ルーマニア民主化になり、国内はいい方向に進んでいると思っていましたが、この作品で語られているのが真実に近ければ、なかなか思い通りには国は動いてはいない、民衆の心は荒んでいるのかもしれませんね。 ただ、その中で生きて行こうとする人もいるってことは、この主人公のロメオの理想が高いってことなのか?
この作品、なかなか真実が見えないところがあるんですね。 投擲した人間は、後半ではロメオの車のフロントガラスも割りに来ます。 そしてエリザに怪我を負わせた人間は一体誰なのか? どう やらロメオとマグダの夫婦は民主化後のルーマニアに期待をしてた国から戻ってきたような経緯があるようです。
だからここまでロメオは誠実に生きてきて、医師としての評判はすこぶるいい。 しかし結局将来性の無い国と、娘の将来を思い悩んでから、家庭にもすきま風がふき不倫に走ったところから綻んでいったようですね。 そして暴行事件から、不正の道を取ってしまう、すべてが狂って行くんですが、じゃあ彼が悪いのか?
物語は決してハッピーエンドにはなりえない展開、ただ、エリザだけは何か吹っ切れた感じがせめてもの救いでしたが。(G)

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娘が襲われる

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病院で警察の取り調べも

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娘には彼氏がいた

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留学のことがそれよりも心配なロメオ

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そして犯人らしき人間の面通し

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