将軍・徳川家光(京本政樹)は性格、容貌が自分と似ていないという理由で長男・竹千代(茂山逸平)を嫌って佐倉藩に預け、次男・徳松を溺愛していた。 その上将軍継承に絡み、阿部重次(松方弘樹)に対して竹千代を殺すよう命じていた。
ある日、竹千代を幕府の刺客団が襲ったが、石河刑部(緒形拳)ら凄腕の浪人達が護衛していたため、事無きを得た。 佐倉藩主・堀田正盛(丹波哲郎)が家光の陰謀を考えて備えていたのだ。 その失敗を受け、阿部の命を受けて伊庭庄左衛門(千葉真一)が指揮する根来忍者集団に依頼が下る。
石河刑部と家光、阿部の間にも因縁があった。 かつて石河は妻を阿部によって家光の側女として無理矢理召し上げられていたのだ。 それが、お万の方(二宮さよ子)であった。
幕府から竹千代に元服式を行うので江戸城へ出仕するよう命令がきた。 罠と知りつつ竹千代は石河らに守られながら江戸城へと向かうが、その日の夜に伊庭に襲撃され殺害される。 しかし、堀田の一行は伊庭を欺くための囮であり、竹千代は石河たちと共に山中を江戸に向かっていた。
伊庭は山中を捜索するが、矢島(加納みゆき)が不用意に火を起こしたため居場所が発覚し、竹千代は捕まり鉱山に監禁されてしまう。 石河たちは鉱山を爆破して竹千代を救出するが途中で幾度となく幕府の 刺客に襲われる。 江戸に向かうのは殺されに行くようなものという反対意見さえ出るくらいの過酷な旅になる。
しかしその時竹千代が父・家光と対決することを決意するのだった・・・
徳川の三代目、家光から4代目の跡目相続の時点を描いた時代劇アクション作品ですね。 もちろん多分にフィクションですが、多かれ少なかれ、当時は誰が跡目を継ぐのかという事に対し、いろんな企み、思惑はあったとされています。
監督は降旗康男、今年新作 「追憶」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14915140.html が公開され、まだまだお元気ですね。 主演は緒方拳、役どころは架空の人物、石河刑部を演じていますね。 2008年にお亡くなりになった緒方さん、緒方さんの殺陣は時代劇に詳しい映画評論家の春日太一さんが高評価ですね。 もともと舞台出身でそこは上手いはずなんですが、実はこの作品でアクション担当が千葉真一氏なんですね。 だから本格的な剣劇に留まらず、変化に富んだ、そして集落全体を二人で戦い、一切ほかの家来たちに手出しをさせないシチュエーションで作り上げていますね。
まあ主役と敵役の戦うハイライトシーンですが、この作品はここが一番のシーンで、これがあるからこの作品があると言うほど今でも語り草の闘いのシーンです。
物語は、家光が我が子、竹千代を殺そうとのたくらみをするというお話ですが、もう病魔に襲われ自分の寿命が尽きようとしているそんな最後の乱心を描いた作品ですね。
緒方さん演じる石河達が捨て身で竹千代をエドに遣わし、そして最後のクライマックスを迎えます。 今作では松方さんの殺陣が見れないのが残念ですが、その分大見得を切るラストシーンがなかなか見どころですね。
アクション時代劇の極みの作品ですね。
自分の思い通りの世継ぎを後継につかそうとする家光
石河行部が竹千代を江戸に
しかし襲いかかってくる刺客たち
自ら火だるまになって脱出
そして一騎打ち
はたして脱出できるのか?