anttiorbの映画、映像の世界

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スリー・ビルボード


ミズーリ州の郊外エビング。 ミルドレッド(フランシス・マクドーマンド)は、迷い込んだか変わり者しか通らないようなとある道に停車し、3枚の錆びついたビルボード(広告看板)を見上げながら決意の表情を見せる。
彼女はすぐさま、広告会社へ出向き、広告を出してほしいと契約金1ヶ月分の5000ドルをオーナーのレッド(ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ)の前に叩きつける。 困惑したレッドだったが、広告内容を見ると目の前の女性がアンジェラ(キャスリン・ニュートン)の母親だと分かり契約を交わすのだった。 アンジェラはこの街でレイプされたのち、無残に殺害されたのだ。
ミルドレッドは、7年間も警察が犯人を捕まえることができないことに苛立ち、広告看板に訴える強行に出たのだった。 息子のロビー(ルーカス・ヘッジズ)を乗せ車で看板を通る親子。 真っ赤な背景に大きな文字だけ の看板は 「恐怖の中レイプされた」 「まだ犯人は捕まらず」 「ウィロビー保安官は何をしてるんだ?」 といった強烈な言葉だった。
この看板は街に大きな波紋を起こす。 しかし、名指しされたウィロビー(ウディ・ハレルソン)に対して町は微妙な反応を見せる。 彼は末期のすい臓がんだったため、人々は同情を寄せているのだった。
ディクソン(サム・ロックウェル)をはじめとし、エビング署の警察官たちはミルドレッドに対する態度を硬化する。 息子のロビーは学校で嫌がらせを受けるなどして、住民たちもミルドレッド一家を揺さぶり非難するのだった。
ウィロビーは、彼女の気持ちがわかるが、強硬手段に出た彼女に会いに行くことにする。 そして自分が末期がんだと言うと、彼女はそれを知っているし、町のみんなも知っているとまでいう。 ウィロビーは逆にみんなが知っていることに驚く。
ある日、ミルドレッドはレッドに呼び出され、2ヶ月目の広告費を滞納していることを告げられてしまう。 安くない広告費、ミルドレッドが困惑していると事務所に匿名の5000ドルが届く。 ミルドレッドと同じく警察を憎んでいる者からの援助なのか? それにより広告を継続させることはできたものの、警察の睨みもますのだった。
屈しないミルドレッドに対し、躍起になったディクソンは母親からの入れ知恵で、ミルドレッドの友人で、店を手伝ってもらっているデニス(アマンダ・ウォーレン)をでっち上げの罪で逮捕してしまう。 さらに、別れた元夫チャーリー(ジョン・ホークス)までもがミルドレッドを責め始めるのだった・・・

ビルボード” という言葉の響きに違和感がありましたが、「広告看板」 という意味で、これがそもそもの物語の発火点でした。
監督はマーティン・マクドナー、長編初作品が 「ヒットマンズ・レクイエム」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/4071159.html でしたが、これ結構好きな作品です。
主演はフランシス・マクドーマン、存在感のある女優さんですが、「ファーゴ」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/13385182.html そして 「プロミスト・ランド」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14545204.html が印象的ですね。
そして途中でいなくなりますが、ウディ・ハレルソン。 近作は 「猿の惑星:聖戦記」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/15183792.html ですね。
さらに、サム・ロックウェル。 「バッド・バディ! 私と彼の暗殺デート」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14919255.html が近作ですね。

物語は、いきなり真っ赤な地に書かれた衝撃的な叫びが踊る3枚の広告看板。 それを依頼したのが、7年前に娘を殺された母のミルドレッドでした。 正直、ここの警官のレベルは低いんですね。 ウィロビーはここの警察署長、決して無能ではないんですが、自らの体のこと、そして教育しきれない歯がゆさで日々生きている感じです。 本音は、残していく家族のことが一番心配なことと、静かに余生を生きていたいというところなんですね。
しかしこの看板のことで、ウィロビーが最後に命の炎を燃やし始めるんですね。
差別主義者のディクソン、普通ならこんな人間が警察にいるのがおかしいほどなんですが、なぜかウィロビーは我慢しながら彼に仕事をさせている。 彼はどんどん過激な行動をとって生き、等々レッドに八つ当たりをして大怪我までさせてしまうんですね。 彼の母親もとんでもない女なんですが、この親あって息子ありです。
そしてとうとうウィロビーは亡くなってしまいますが、そこから第2の展開になっていきます。
一見犯人探しのサスペンス、推理ものの様な感じを受けるんですが、実際は違うんですよね。 ミルドレッド、ウィロビー、そしてディクソンの3人がパートごとに主人公を演じていくドラマなんですね。
一人ひとりの登場人物に味がある描き方、なかなか面白い作品でした。

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3枚の広告看板の文字は辛らつだった

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ディクソンは露骨に彼女を攻める

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息子に嫌がらせをする生徒に一喝

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ウィロビーは彼女に理解を求めに行くが

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彼なりの正義感が暴走していく

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