anttiorbの映画、映像の世界

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Mommy/マミー

2014年作品、グザヴィエ・ドラン監督、アンヌ・ドルヴァル、スザンヌ・クレマン、アントワン=オリヴィエ・ピロン出演。

とある世界のカナダでは、2015年の連邦選挙で新政権が成立。 2ヶ月後、内閣はS18法案を可決する。 公共医療政策の改正が目的である。 中でも特に議論を呼んだのはS-14法案だった。 発達障害児の親が経済的困窮や身体的、精神的な危機に陥った場合は、法的手続きを経ずに養育を放棄し、施設に入院させる権利を保障した法律である。 ダイアン・デュプレ(アンヌ・ドルヴァル)の運命は、この法案によって大きく左右されることになる……。
喜怒哀楽が激しく、おしゃべりで、いつもケバケバしいファッションに身を包んでいるダイアン・デュプレ(アン ヌ・ドルヴァル)は、車を走らせていた。 そこに右車線から出てきた車に追突される。 しかし彼女は必死に車からはい出し、あるところへ向かうのだった。
彼女は息子スティーヴ(アントワン=オリヴィエ・ピロン)を引き取りに行ったのだった。 スティーヴはADHD(多動性障害)を抱え、性格は攻撃的。 常に情緒不安定で、他人を罵ったりケンカをふっかけたり、女性とみれば誰かれ構わず親密にタッチしまうクセが抜けないまま大人になりつつある。 だが平静なときは、極めて知的でそしていたって素直などこにでもいる純朴な少年である。
彼を連れて新居に行く途中、近くに住む弁護士の男に声を掛けられるが、早くスティーヴと家に帰りたい彼女は彼を上手くいなすのだった。
しかし、シングル マザーで生計を立てていくのは大変だった。 いろんな伝手に連絡を取り、職を探す彼女だったが、結局掃除婦としてギリギリの生計を立てながら15歳の彼を育てていく。
しかしスティーブの行動は時として彼女をいらだたせる。 そして彼を折檻して怪我をさせ、スティーヴが逆に母親に逆上し、手が付けられなくなったとき、咄嗟に彼の傷の手当てをしてくれたのが、迎えに住んでいるカイラ(スザンヌ・クレマン)だった。
彼女は吃音で、教職の仕事を長期休んでいる女性だった。 そして二人とだんだん仲良くなっていくのだった…

まず不思議な画面でしたね。 真四角な画面が出てくるので、ちょっと窮屈さを感じました。
主役のアンヌ・ドルヴァルはドラン監督作品の多くに出ているようですね。確かにこの作品でも、苦労してADHDの少年を育てる母親を実によく演じていました。 カナダ作品ということで、主要都市の地名がふんだんに出てきますが、ここはどうやら郊外みたいですね。
物語は、父親の死後必死に一人息子を育てようという、母親の苦闘の物語なんですが、この母親のダイアンも決して弱い女性ではないし、通常よりも強い方ですね。
でも、スティーヴはこの病気のため、いったん爆発すると手が付けられないんですね。 警察や、病院に行くと、また入院、隔離されてしまいます。 離れ離れになりたくない母にとってそれを止めながらの生活が過酷なんですね。
でもそこに救世主のような存在が現れます。 それがカイラなんですね。スザンヌ・クレマンが演じていますが、彼女も監督作品の常連のようです。
純カナダ作品を観たのは初めてかもしれません。 
母親のことを愛しているのに、歯止めが効かなくなる少年、でも一応夢があり、それを叶えて母親に恩返しをしたい、そんな気持ちがわかるシーンはちょっと切ないですね。
一瞬の夢?未來?のシーンはありますが、そこが何とも儚かったですね。
ラストのスティーヴの走る姿は印象的でした。(G)

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息子を取り返したダイアン

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しかし彼の情緒不安定さは周りを振り回す

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そこに現れた迎えに住んでいるカイラ

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夢を持っているスティー

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そして3人の絆は強まって行く

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