2012年作品、ガス・ヴァン・サント監督、マット・デイモン主演。
実は、マッキンリーには良質のシェールガスが埋蔵されているのだ。 スティーヴたちは、近年の不況で大きな打撃を受けた農場主たちの家を一軒一軒訪ね、セールストークを駆使し、今の暮らしよりも確実に良くなることを解いて行き、相場より安くその採掘権を買い占めようとしていた。
街の顔役とも多少の脅しをかけ、説明会ではこちら側に着き市民を誘導させることに成功し、スティーヴは手ごたえを感じていた。 二人の滞在期間は短期間になりそうという見通しの中、デヴィッド(テリー・キニー)の雑貨屋でも最小限の買い出しで済みそうと、スーもホッとしていた。
次の日、寝過ごした彼は説明会に遅刻をしてしまい、スーは呆れ顔、しかしこの説明会で、予期せぬ障害が立ちはだかるのだった。
科学教師フランク(ハル・ホルブルック)が質問に立ち、数々の鋭い質問をし始めたところで空気が一変した。 危ないと思った彼がフランクの質問に答えようとしたが、データ、理論共完璧な彼のツッコミに満足な回答ができないスティーヴ。 そしてとうとう投票をしようという流れになってしまう。
フランクは環境活動家ではないという本社からの連絡があったが、逆に彼は筋金入りの学者だったことが判明する。 まともにやり合っては学問的には勝てないことがわかる。
二人は投票までにさらに一軒一軒あたりながら個別に契約をして行くのだが、そこに現れたのが環境活動家ダスティン(ジョン・クラシンスキー)だった。 彼は今までの大手エネルギー会社が訴えられている訴訟問題を取り上げ、家畜に対する重大な健康被害を訴え始めるのだった。
一転して窮地に陥る二人だったが…
この作品は公開当時見たかった作品、環境問題、エネルギー問題に絡んだ作品なんで興味があります。
監督はガス・ヴァン・サント、最新作は 「追憶の森」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14104324.html で、幻想的な樹海の世界を描いていましたが、主演のマット・デイモンとのコンビで有名なのは 「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/13646143.html でしたね。 この作品もロビン・ウィリアムスとの共演で印象深い作品でした。
一方マット・デイモンは、やっと復帰した 「ジェイソン・ボーン」シリーズ http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/7312110.html http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/7322536.html http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/7333819.html の新作が公開中ですが、http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14476614.html 社会派作品に機軸を近年は映している感じがします。
またキーになる人間の何人かの一人、スティーヴの相棒のおばちゃんで、フランシス・マクドーマンドを起用しているのが凄いですね。 彼女は「ヘイル、シーザー!」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14142097.html が近作ですが、「ファーゴ」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/13385182.html がなんと言っても代表作だと思っています。
物語は、どんどん窮地に陥っていくスティーヴの苦悩が描かれていきます。 それだけこのダスティンのやり方が、プロの活動家っぽいんですね。 圧倒的にこちら側に主導権があったにもかかわらず、住民はどんどん翻っていきますが、その中でも今の生活を変えたい、多少でもいい暮らしがしたいと思い彼を信じる人間もいるんですね。
そして最後に大きなからくりが明かされ、物語は急展開に。
エネルギー問題と環境問題は表裏一体、人間がよりいい暮らしを求める限り、エネルギー問題と直面するという、そこに開発、買収、大企業の論理が絡まってくる。 何が本当に人間らしいのか?考えさせられる作品でした。
スーと共にこの地にやって来たスティーヴ
地元の根回しは万全
しかし思わぬ伏兵登場が起きる
本部からその質問者は優秀な元学者だと分かる
そしてダスティンと言う環境活動家が現れる
町の住民の空気がどんどん変わっていく