結婚式の準備のため帰省した環(七瀬薫子)は、結婚式のスライドで使う写真を選んでいた。 母の時恵(まつむら眞弓)から冷やかされながら、それでも幸せいっぱいだった。
そこにあかり(古谷ちさ)と、父の比呂志(東康平)がひまわり園から帰ってきた。
あかりは久しぶりに姉を見て、いつも以上に燥いでいた。 そしてすぐに約束の買い物に出かけようとせかすのだった。
バスに乗り、窓際の席が空いていることに、大きな声で手前のおじさんに聞こえるように指摘するあかり。 彼女は知的障害を持っており、そういう気遣い、躊躇はないのだった。
2人で、買いに来たのは、結婚式であかりが身に着けるアクセサリー。 髪につけるのを買い、嬉しそうにはしゃぐ妹の姿に頬を緩める環。 だが、あかりは立ち止まり、ウエディング衣装の店で見とれてしまう。
「いつか私も着れるかな? 大人になったら着れるよね。 じゃあ今から買っておこう。 ねえ買ってよ。」どう答えていいかわからなくなった環は、困ると同時に不機嫌になった。 すたすた歩いて行ってしまい、ふと気がつくとあかりの姿がない。 あかりはどこに消えてしまったのか?…
この作品も、映像産業振興機構(VIPO)出展作品です。
バスで移動の時に、ラブホテルをお城と言って喜んでいるところが後半に繋がり、そこでのシーンはちょっとほろっとさせられました。
もう一つもしかしたらもうあまり機会がないかもしれない、親子4人でのすき焼きをつまむところなんかも、なかなかいいシーンでしたね。
アルバムを見ながらのところは、回想シーンが無くても、今までの二人の生い立ちや、苦労、逆に楽しかったことなどが推測され、心がジーンとくる短編に仕上がっていたと思います。
バスに乗ってお買いもの
お城の中でシャボン玉ができたあかり