anttiorbの映画、映像の世界

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雨月物語

1953年作品、溝口健二監督、京マチ子主演。

近江の国琵琶湖北岸の村に暮らす貧農の源十郎(森雅之)は、畑の世話をする傍らで焼物を作り町で売っていた。 賤ヶ岳の戦いの前に長浜が羽柴秀吉の軍勢により占領され、賑わっていることを知った源十郎は、妻の宮木(田中絹代)と子を残し、焼物を載せた大八車を引いて長浜へ向かった。 義弟の藤兵衛(小沢栄)は、侍になりたいと源十郎に同行する。
源十郎は、焼物が売れたので金をたんまり持って家に帰ってきたが、藤兵衛は侍に付いて行ってしまった。
藤兵衛はなんとか仕官したいとの思いで、直訴するのだが、刀と具足があれば家来にしてやると言われ、直ぐに家に戻る。
源十郎は妻に綺麗な小袖を買ってやり、妻はその気持ちがうれしいと喜ぶ。さらに食料もしっかりと買うことができ、また焼き物を焼き、売りに行くと意気込む。
しかし妻は、もうこれ以上お金はいらないと言う。 あまり欲をかいては危険だと思っているのだ。 そこに藤兵衛の妻の阿浜(水戸光子)が夫の帰りを心配して訪ねてきたが、藤兵衛はすぐに帰って来る。 哀れな姿に、罵る阿浜だった。
しかし藤兵衛は、焼き物の売り上げを狙っていて、その金で、刀や槍を買おうと思っているのだった。
二人の妻たちは、これも戦が人の心を狂わしているのだと話しているが、源十郎も藤兵衛も、金と地位に目がくらんでいて、もう足元を見ることができなくなっていくのだった。
秀吉の軍勢がこの村にも攻めてきて、いったんここを逃げることになる。 窯の火が心配な源十郎だった。
そしてなんとか次の焼物ができた…

全長96分の作品ですが、いちおう物語は二つに分かれているんですね。 原作は短編集となっており、これは「浅茅が宿」と「蛇性の婬」の2編を映像化しているということです。
水木しげるも、この後はじまる怪異を漫画作品として書いていますが、私はそれを読んでこの話を知りました。
後半出てくる、源十郎の焼物を大量に買ってくれる由緒正しそうな家の姫君、しかしそこはこの世のものではない世界でした。
しかしそんなことまでわからないほどに源十郎が亡者の虜となり、さらに弟の藤兵衛も、上手くチャンスを掴み家来を貰える身分となるんですね。
しかしその裏には残された妻たちの苦労、そして悲劇がある、現代にも通じる話ですね。
モノクロ作品ですが、今でも見応えがある怪談話でした。

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源十郎は農業の傍ら焼き物を焼いていた

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それは上手く売れて成功した


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しかし気を良くした彼はさらに売りに行く

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身分の高そうな女性が女が大量に買いに来る

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そしてどんどん深みにはまる

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