anttiorbの映画、映像の世界

不定期で、旅ブログも立ち上げます!

天の茶助

2015年作品、SABU監督、松山ケンイチ主演。

天界では大勢の脚本家たちが、地上で生きる人々の“人生のシナリオ”を書いている。 人はみな、実は彼らのシナリオに沿って生きていた。 その脚本家たちのためのお茶汲み係の茶助(松山ケンイチ)は、ただお茶を汲んでいるだけの男だ。
ある脚本家が、アイディアに行き詰まり茶助に何かいいアイディアはないかと頼ってきた。 チラッと見ると、その話の主人公・康夫(今野浩貴)をどう動かすかというところで、彼女にプロポーズをする場面だった。
設定をカラオケ屋にでもしたらどうかと、適当に言ってその場を離れる茶助だった。
また別の脚本家のところに行くと、ある娘の話になる。 その娘は 新城ユリ(大野いと)といい、子供のころのトラウマで言葉を話せなくなってしまい、今は花屋で働いている女性だった。 茶助は彼女の事が気に入っていた。
しかしここでハプニングが起きてしまう。 さっき物語を変えた康夫が、彼女にフラれ、やけを起こしタクシーを盗み暴走、彼女を引き殺してしまうという設定になってしまうのだった。
ユリの脚本家は、今ならまだ間に合うので茶助に下界に言って彼女を救ってほしいと懇願される。 そして別の脚本家に助けを借り、協力者をを付けると言われる。 ユリを死なせたくない茶助は下界に降りていくことにして、雲の中に飛び降りた。
気がつくと彼は商店街の催し物、沖縄の踊りの中に現れた。 そこでまず声をかけてきたのは、骨董品店の種田(大杉漣)だった。 ぼろぼろの衣服を着替えさせてくれ、ラーメン屋に連れて行ってくれる。
そこには彦村(伊勢谷友介)がいて、彼自身が作った器でラーメンをごちそうになる。 2人とも茶助は、知っている人物で今までの生い立ちも知っていた。
そしてたまたま彦村の持っていたカラオケ屋のただ券を見て、この二人が協力者と確信した。 はたして茶助はユリを救うことができるのだろうか?・・・

SABU監督ということで、見に行きました。 彼の作品は初期の「ポストマン・ブルース」http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/6699513.html や、「うさぎドロップ」http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/10281917.html と見ていますし、結構好きなタッチなんですよね。
今回も松山ケンイチ君が主役でした。
原作、脚本も手掛けていて、ファンタジー風の作品に仕上がっていましたが、なかなか殺伐としたところもありました。
主人公の茶助の立ち位置が、天界のお茶くみという、天使の一番下のポジションみたいなんですね。 でもそこが和風に、お茶を入れるだけの仕事。そして脚本家たちは、ただひたすら個人の生涯を描いているだけ。 無数の人間のために無数の脚本家がいます。 そしてその人間の生涯が終わると、“完”となり筆を置くんですね。
では茶助は下界に行くとどういう存在なのか? 見えるのか? 人間なのか? それとも特殊な能力を使えるのか?
まあそこらが解っていくと物語が見えてくるんですが、多少バタバタ感のある作品で、それは監督の色というところで。
かっこいい俳優の伊勢谷友介が、脇にいるところがなんか面白かったですね。 存在感があり過ぎなんですよね。
人間は脚本通りにしか生きられないのか? 監督はそのあたりもしっかり主張していました。

イメージ 1
天界のお茶くみの茶助

イメージ 2
この男の書いている男が

イメージ 3
そして茶助は下界に

イメージ 4
そこは沖縄祭り会場だった

イメージ 5
骨董屋の種田に会う

イメージ 6