ファンシイダンス

1989年作品、周防正行監督、本木雅弘主演。

塩野陽平（本木雅弘）は、街の明るい大学4年生。　ロックバンドを組み、ライブハウスでリードボーカルとして翔んでる毎日を送っていた。

今日のライブに現れた彼は、髪半分剃った頭をしていた。　陽平には寺の跡取りという宿命があった。　このライブは断髪式でもあった。　まわりの仲間は就職活動真っただ中で、彼を羨む者さえいたが。

母の静子（宮本信子）は、決心してくれた陽平を喜んでいた。　これから1年間の修行に行く。　最後に恋人の真朱（鈴木保奈美）にお願いするが、決心が鈍ると言い許してくれない。　でも、彼はモテたので、女は群がっていた。

しかし行きの飛行機で、弟の郁生（大沢健）が乗っていた。　陽平 は弟も坊主になることは知らなかった。　しかし郁生は寺は継がず養子に行くという。

本心は坊主になりたくなかった陽平は悔やんだが、郁生を一人で修行に行かせることもできず、結局二人は修行に向かうのだった。

しかしここに修行に来るものはいろんな奴がいた。女に送ってもらってくる奴、早くも遅刻してくる奴、早くも先輩僧の光輝（竹中直人）のいびりが始まった。

遅れてきた信田珍来（田口浩正）は追い返されてしまう。ウォークマンを持ってきた陽平もそれを取り上げられた。　神社のお守りを持ってきた者もいた。　珍来は連れ戻され、修業が始まったのだった。

さあ、彼らは無事修行を続けられるのだろうか？…

基本コメディのこの作品、次作の「シコふんじゃ った」と同じく、本木雅弘とのコンビの周防作品です。

前半の寺での修行シーンは、若干の寺での厳しさを描いていますが、周防組の原点である作品で後のメンバーの出演、特に竹中直人の使い方はもうこの頃からこうなんですね。

今回のヒロインは鈴木保奈美、初々しいというか、ツンデレというか、とにかく若いですね。

モックンこと本木雅弘は、この作品から本格的俳優になったといっても過言ではないですね。　シブがき隊解散後の大作主演、出世作であり、すっぱり頭を剃った彼の意気込みが伝わってきます。

笑いという点では、ちょっと古臭い感じを今は受けますが、ここでの出演から大きくなったり売れっ子になっていった役者が多く出演しているので、なかなか興味深い周防作品でした。

断髪式の陽平

最後は彼女に

同じような仲間が

そして先輩も

真朱が会いに来るが