ボールを追いかけている少年、大きな屋敷で、少年が見た物は、ホールに下がった首を吊った死体だった。 しかし少年は何食わぬ顔で、外に出て行った。
こんな伝説がある。 残酷な方法で干潟で殺された人間は、二世代後に幽霊となって戻ってくる。 幽霊は犯人の子孫の夢に姿を現し、復讐するのだ。 人はその幽霊をゴンガーと呼ぶ。
フィリップ(セバスティアン・シュトレーベル)は久しぶりに故郷へ戻ってきた。 車を飛ばしている。 携帯がかかって来たので電話に出ていると雑音が入り、急に雨が降ってきた。 アルトブンシュテット、彼の生まれ故郷だ。
不意に前方に人影が見え彼は急ブレーキを踏んだ。 しかし何も轢いていない。 そして雨は急に止んでしまった。 携帯が復活した。 しかしすぐに彼は切って車を走らせた。
途中バイクを止めていた女性にハネを飛ばすが彼は気がつかない。 彼が向かった先は、無人の屋敷だった。 ここは彼の一族の館だったが、今は誰も使っていない。家具には布がかけられ、人気は全くない。 昼間なのに無気味だ。
実はここでは、彼は少年時代につらい記憶があった。 地下室で事故があり、両親が亡くなっているのだ。 彼は暗闇が苦手で、悲鳴を聞いて助けを呼びに行ったが、手遅れで両親は中毒死していたのだった。 少年期のトラウマになっている。
ここに来たのは祖父が死んだので、ここの相続人になっているからだった。 しかしそんなことがあって祖父は彼を他人の養子に出して、今まで縁のない生活をしていたのだった。 そう、故郷という気持ちを彼は持っていないのだった。
そこに現れたのは、市長で、ここを10万ユーロで買うというのだ。 そんな安くは売らないとフォリップが言うと、いろいろ理由を付けて11万まで価格を上げてくる。
ヘルマ(テレサ・ヴァイスバッハ)は変な夢を見た。 公園のようなところで霧がかかっており、水浸しの少年が男を殺す夢だった。 うなされて飛び起きたのだが、ベッドの横がぬれていた。
その夜フィリップは、酒場に来た。 その店にかかっている写真に自分が写っていた。 ここはマーティンという幼馴染の店で、そこの兄のペレもやって来た。 二人は市長の孫だった。 ペレは市長の秘書をしている。 15年ぶりだった。
その頃ヘルマは夢のことを母に話していたが、母はなぜか怯えるだけだった。 そしてこの夢が最初の惨劇の始まりだった・・・
ドイツ映画のホラーです。 2008年作品なんですが、なかなかデータがないんですね。 監督と二人の主演くらいしか照合できませんでした。
でもこれ意外と面白いんですよね。 原題は 「GONGER」 なんですが、その説明が冒頭にあります。 邦題が 「ウォーター」 なんでちょっとありきたりであり、他作品と混同されてしまいます。
しかし謎解き、陰謀、しかし最後のどんでん返しもあり、ヒロインのヘルマ役のテレサ・ヴァイスバッハも可愛いし、良い作品だと思うんですが。
物語は、酒場の写真に写っている5人の少年少女の祖父の時代の話から始まっています。 上記の他にアイケという、薬注の男がいるんですが、まず初めの犠牲者が彼で、すぐに生贄となります。
どうしてゴンガーが蘇ったのか? お話は孫5人が揃ってしまったからということなんですね。 でもゴンガーの正体は、ここに大きなカギがあり、それが上手くひねってあるんですね。
必死に隠そうとする親や生存している祖父たち、でもそこに各々の思惑、欲などが入り混じって物語は進んでいきます。
95分というホラーならではの時間ですが、これは結構お勧めの展開を見せてくれる作品です。
赤いボールが転がっていく
ボールとともに外に出る少年
そして海岸でボール遊びをする少年
フィリップは帰ってきてヘルマと会うが、これが開始の合図だった
それは昔の少年たちの行動にさかのぼる