anttiorbの映画、映像の世界

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イーダ

2013年作品、パヴェル・パヴリコフスキー監督、アガタ・チュシェブホフスカ主演。

1960年代初頭のポーランド。 孤児として修道院で育てられた少女アンナ(アガタ・チュシェブホフスカ)は、ある日院長からおばの存在を知らされる。
あなたの唯一の親類と言われ、興味を持ったアンナは、一度も面会に来たことのないおばのヴァンダ(アガタ・クレシャ)を訪ねる。
始めは言葉がお互いでないのだが、しばらくして彼女の口から出た言葉にアンナ衝撃を受ける。「あなたの名前は、イーダ・レベンシュタイン。ユダヤ人よ。」 突然知らされた自身の過去。 私は何故、両親に捨てられたのか?
いったんヴァンダは仕事に行くのだが、彼女はなんと判事を務めている。 そして結構重要な立場にいるのだった。
終わるのを待ってアンナとヴァンダは、ヴァンダの車でアンナの両親の事、そして彼女がどうして今修道院にいるのかを調べに行くことになった。
いったい過去を確かめることができるのだろうか?…

この作品は全長80分の若干短い作品で、セリフもごくわずか、モノクロですので、全体に暗く、陰鬱なんですね。
さらに笑顔がめったに出てこない、それはアラン=イーダもヴァンダも、ほかの登場人物全てがそうなんですね。
ここで描かれている修道院も、禁欲的な色合いが濃く、基本笑いという物はありません。 冒頭もキリスト像をひたすら作る4人の修道女から始まります。
そして、だんだん明らかになっていく彼女の過去なんですが、それは実 はヴァンダも知らなかった事実もあからさまになっていきます。
始め僅かに残っていた写真から、ある疑問にアランは気が付きます。 兄がいた?しかしそれをヴァンダは否定します。 ではいったいその男の子は誰なのか?
セリフが無くても、話の展開、そしてアランや、ヴァンダが何を感じ、どう思っているのか、そして迷っている心の模様が、自然とこちらの頭の中に、心に入って来るようでした。
ただ最後の選択は、私には非常に残念に感じました。 新しい世界を選択するのか、それとも今までの世界に戻るのか? 果たして彼女はどう行動するのか?
これも歴史の暗部に触れているデリケートな作品でしたが、被害者としか私は取れなかったですね(G)

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旅に出た二人

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事実がだんだん明かされていく

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アルトサックスを吹く青年

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イーダと知り合う

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髪を露わにするイーダ

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