女子高生・嵐(橋本愛)は1年生の頃から高い演技力を評価され、唯一同学年で舞台に立っていた。 御園(大野いと)はまだ控えで、でも二人は親友だった。 そして御園は渋谷歩美(松坂桃李)に憧れていた。でも遠くから見つめるだけなのだが。
しかし歩美にはある特別な役割があった。 たった一度だけ、死者との再会を叶えてくれる人、すでに死んでしまった人との再会を仲介する使者“ツナグ”だった。 彼は祖母のアイ子(樹木希林)から“ツナグ”を引き継ぐ途中の見習いだったのである。
歩美の両親はもう死んでいた。 それはちょっとあまりいい死に方ではなかった。 原因不明と言われていたが、世間では父の無理心中と噂されていた。
中年男性・畠田(遠藤憲一)は横柄な態度で、癌で亡くなった母・ツル(八千草薫)に会うことを希望する。 そして歩美は彼の希望を聞きに行くのだが、畠田は、金目当てのインチキと決めつけてくる。 でも会いたい理由があると言い張るが、決して心を許さない。
そしてこの“ツナグ”にはルールがあるのだった。 死者に会いたいという依頼人の依頼を受け、依頼人が会いたいと希望している死者を呼び出し、交渉する。 その死者が会うことを了承すれば、その死者と依頼人を会わせる。 ただし、面会当日には、使者は面会の場に同席することができず、面会の場であるホテルの部屋で死者に面会の開始を告げることと、面会の前後にロビーで依頼人に付き添うだけである。
さらに、1人の依頼人が死者に会えるのは、生涯で1度だけ。 死者が生者と会える機会も1度だけ。 すなわち、ある生者に会ってしまうと、他の生者に会う機会は永遠に失われる。そのことを畠田に言うが、畠田は断ることは無く、死者が了解すれば連絡するという言葉を信じ待つことになる。
そしてある日、歩美から連絡が入った。 そして約束の場所のホテルに畠田は向かうのだった…
ある意味都市伝説のような話が実際あり、上手く連絡がつけば依頼を受けてもらえるという設定で、“ツナグ”にたどり着けない人もいるようですね。
この作品を観て、生者として死者の誰に会いたいか?、また逆に自分が死んだら、誰に会いたいと言われたいか?そんな風に考えますね。 親、妻、友達たった一人選ぶのは結構難しいですね。
私は答えがでませんでした。 死んでから生者に会いたいと言えば、もし言い残しがあったら、息子ですが。
言いたいことを言えて、遺言も書けて逝ってしまう人はある意味幸せかもしれません。 私は両親も妻も、結局何も聞けずじまいでした。 また遠くに住んでいた親友もそうでした。 夢に出てきても、それは本当なのかどうか。
でもそれでいいのかもしれないとこの作品を観てて思いました。 死んだ人を呼ぶというより、その人 だった残留思念を実体化する、そんな感じにも見えました。
結構な感動作品なんでしょうが、却っていろいろ考えさせられた作品でした。
祖母から孫へと受け継がれて行く力、役目
畠田が会いたかったのは母だった
嵐と御園は演劇部だったが
土谷は失踪した女性に会いたいという依頼だが
体調を崩したアイ子に
そしてこの二人は…