anttiorbの映画、映像の世界

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岸辺の旅


薮内瑞希深津絵里)は子供にピアノを教えて細々と暮らしていた。 3年前、歯科医師であった夫の優介(浅野忠信)は不意に姿を消して行方知れず、どんなに探しても見つからなかった。
ある日の夜、夫が好きだったゴマ団子を作った。 ふと、気付いて振り向くとそこには優介の姿が。 3年間、ずっと探していた彼は、何の違和感もなくそこに立っていた。優介にゴマ団子をご馳走する。 彼は瑞希に、自分が富山の海に沈んで死んだ事を話した。 死体は海底で、蟹に食われてもうなくなっている。 ずっと旅をして、ようやく戻って来たと話す。 俄かには信じられない話だった。
次の日の朝、瑞希は昨日の出来事が夢だったのだろうと思う。 だが、キッチンには彼が食べた後の皿が残っていたし、振り向くと夫が床に座っていた。 夢ではなかったのだ。 優介は突然、旅に出ようと言う。 瑞希が稲荷神社に奉納すべく書いた100枚の祈願書を持って、2人は旅に出る。 帰りたくなったら、祈願書を焼けばいい。そう言って。
電車でとある町へ到着。 そこで優介が世話になった島影(小松政夫)という人物を見つける。 島影は新聞配達を生業としていたが、優介と同じ死者らしい。 しかも、自分が死んだ事を理解しておらず、今までと変わらない生活をずっと続けていた。 夫婦は気のいい島影の手伝いをしながら、再びお世話になる事になった。
事務所には古めかしいPCがあった。 近頃調子が悪いらしく、優介はPCの修理を始める。 瑞希は彼らの食事の世話をしながら、島影と親しくなった。 
島影には花の写真を切り抜く趣味があり、瑞希もそれを手伝う。 PCは修理しても、もう使えないらしい。 優介の言葉に島影は深く頷き、送別会のようなものをしようという事になった。
その日の夕方、すき焼きの準備をしていると、島影がやって来て鍋を指さし、急に嘆き始める。 島影は昔、この鍋を投げて妻の頭に当てた事があるらしい。 思わぬ告白に瑞希はやめようかと聞くが、優介は首を横に振って走り去った島影を追いかけた・・・

見たかった作品、不思議な作品でした。
監督は黒沢清、「散歩する侵略者」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/MYBLOG/yblog.html?m=lc&sv=%BB%B6%CA%E2%A4%B9%A4%EB%BF%AF%CE%AC%BC%D4&sk=0 が近作ですが、その前の 「ダゲレオタイプの女」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14499937.html のほうが監督の色が出ている感じがしました。
主演は深津絵里、「サバイバルファミリー」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14748297.html が近作ですね。
そして浅野忠信、「累 -かさね-」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/15679246.html が近作ですね。 しかし不気味な役では 「淵に立つ」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14480749.html が今作には多少近いところでしょうか?
もう一人、小松政夫さんが出演していますね。 「世界でいちばん長い写真」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/15581717.html に出演していました。

物語は、3年間行方不明だった夫が突然帰ってくる話です。 ピアノ教師で生計を立てていた瑞希でしたが、何かふわふわした暮らしをしています。 夫の生死もわからない、もしかしたらという不安を3年間抱えた暮らしの彼女、そして突然ゴマ団子を作った時に現れた夫の優介。 しかし彼は自分はもう死んでいると言うんですね。
本当に死んでいるのか? 半信半疑ですが、彼が今までお世話になったところに出かけていく、旅に出かけていくんですね。
何度も夢の中のような感じがするんですが、実際に生きている人にも会いに行きます。 大変不思議な作品、人に対する思いが強いと、こんな形で現れるんでしょうか?

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ピアノ教師をしている瑞希

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そしてある日夫が3年ぶりに帰ってくる

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そして彼と旅に出る

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始めに訪ねた島影

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そして今までお世話にいなった人たちのところへ

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