anttiorbの映画、映像の世界

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もういちど

2014年作品、板屋宏幸監督、林家たい平主演。
 
江戸時代末期。 たい平(林家たい平)は、絶望のうちに深川の長屋に流れ着く。 人情のある大家(渡辺正行)は、大家と店子は親と子も同然、困ったことがあったら話に来いと言ってくれるが、頷きはするが暗いたい平だった。 彼はある事情から噺家修行を諦め、そしてこの長屋に来たのだった。
隣りに住んでいる夫婦には息子が一人いた。 貞吉(福崎那由他)は奉公からやっと3年が経ち、藪入りなのであった。 それが待ち遠しい父(ゴリ)と母(冨田靖子)だったが、じつは奉公先で貞吉はちょっと苛められているのだった。
そんなことを気に病んだ、奉公先の番頭は、主人の使いで藪入りの時に500文を預け何か楽しませてやってほしいと、優しい気遣いをしてくれる。
そして二人が思いついたのは、たい平に頼んで、貞吉に落語を話してくれないかということだった。
しかし、たい平は二人の頼みを断るのだった。 もう自分は落語家ではないし、話す立場ではないというのだ。
諦めきれない二人は、今度は今の貞吉の事情を包み隠さず話しもう一度お願いをする。 そうすると、たい平はある条件の元、落語をする決心をする。
それは夫婦と貞吉の3人、場所はたい平の家ということだった。
そして藪入りの日、貞吉にたい平は真心こめて噺を聞かせる。 親子は心の底か ら笑っていた。
家に帰り、貞吉は居住まいを正し、両親にお願いをするのだった。 それは、噺家になりたい、たい平の弟子になりたいというのだった。 仰天する両親、そして怒りだす父、後2年我慢すれば若衆になれるのに。
しかし母は、父に内緒で、奉公先の主人のところへ相談に行くのだった。 そして、主人は言う 「三月の間暇をあげる。 その間修行をして、私に聞かせてほしい。 私もいろんな噺家の落語を聞いている。 素質があるかどうか位は判断できるつもりだ。 もしダメなら戻って奉公を続けるという条件はどうだろう?」
母子はその申し出を有難く受け、その足でたい平に今度は弟子入りを頼むのだが、今度はたい平が首を縦に振らない。 そこで母は500文を足しにしてほしいとまで言う。
たい平は折れ、三月だけという条件で、お金はいらないという。 そして二人の二人三脚の修業が始まるのであった…
 
笑点” でおなじみの林家たい平。 落語家としても、しっかりと話ができ、芸達者でいろんなことに今までも挑戦してきましたが、いよいよ映画主演ですね。 それも本職の落語家で。
話は落語の噺そのものの世界、江戸時代の長屋風景で、藪入りから始まる事件ですね。
私は落語好きなんで、鑑賞する機会あればと思っていましたが、なんとかタイミングが合いました。
この作品は、たい平という元落語家が、貞吉という弟子を持ち、もう一度人生をやり直すという話です。 いったい彼に何があったのか? そこがこの作品の肝ですね。
たい平の妻役で、文化放送のアナウンサーの水谷加奈が出演していますが、もう映画出演3作目?では。 今回はセリフもいくつかありました。
そして三遊亭金馬 (4代目)もセリフこそありませんが、重しという感じでいくつか出番がありました。
落語もいくつかしっかり聞かせてくれる作りになっていて、ちょっとした独演会、舞台構成のような感じも受けました。 芸がしっかりしているたい平さんなので、安心感抜群で、最後はしっかりと泣かせてくれました。
またこういう作品はやってほしいですね。
 
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たったひとりで長屋に引っ越してきたたい平
 
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隣のおかみ、貞吉の頼みをなんとかしようとする
 
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父もだんだん息子に傾いていく
 
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二人の修行が始まる
 
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 そばを食べる修行をしていると二八そばのオヤジが差し入れしてくれた
 
 
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 たい平は貞吉に自分のことを語り始める
 
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