anttiorbの映画、映像の世界

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あげまん

1990年作品、伊丹十三監督、宮本信子主演。

赤ん坊の声がする。 稲荷神社に捨て子が泣いている。 
それが7月4日だからナヨコと名付けられ、中学を出てナヨコは芸者の道を歩むことを決心する。
養父母の老夫婦にこれ以上お世話になることはできなかった。 必死に修行に明け暮れるナヨコ(宮本信子)だった。 やがて半玉になったナヨコ。 
そして18歳になった時、旦那を持つ話となった。 相手は僧呂多聞院(金田龍之介)、水揚げされ、彼女の人生は一変するのだった。 
旦那に言って短大に通い始めるナヨコ。 ナヨコと暮らすようになって多聞院の位はめきめきと高くなっていったのだ。 しかし3年後旦那が死んだ。 それなりの遺産をもらい、OLとしての生活になるナヨコだった。
電車に乗っていると何やら変な動きをする男がいた。 ナヨコが痴漢と思いその男をつまみ出した。 しかし男はボタンが絡まっただけであった。
その男は銀行員鈴木主水(津川雅彦)といった。 男が痴漢でないと言ったのはそれを見ていた寿(橋爪功)という男だった。 寿はコンピュータ見合いの斡旋屋だった。 男が欲しい彼女を寿に見透かされたナヨコはタクシーの中で本心をさらけ出す。
ナヨコは銀行のOLだったが、そこで偶然さっきの痴漢騒ぎの鈴木と会うのだった。 鈴木は出世のために瑛子(石井苗子)という女と付き合っていたが、それ以外にも数人の女と付き合う女ったらしであった。 しかし二人の運命はこれから劇的に変わっていくのだった…
 
伊丹監督の 「マルサの女2」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/8780417.html と「ミンボーの女」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/11077939.html の間に製作された作品です。
もちろん妻の宮本信子は主演で、おなじみのメンバー総出演ですが、二人目の旦那に政治の黒幕・大倉善武役で島田正吾が出ていますね。 彼が出ているだけで何か作品に箔が付くような感じがします。 当時80歳を超えていたと思いますが、矍鑠としたというか、ギラギラした黒幕役がよく合っていましたね。
ただ作品としては、マルサやミンボーみたいな軽快さがないように思えました。   芸者から銀行のOL、そしてまた芸者と破天荒な人生の中で、あげまんとして男から寄ってこられる、本人は決して幸せではない、女の人生にちょっと儚さの方が目立ってしまいますね。 
私としては「~の女」の作品がしっくり見れるよ うな気がしました。



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芸者となったナヨコ


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最初の“旦那”多聞院

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多聞院が死んだ後、出会った鈴木

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“あげまん”を求めている男たち

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再会するふたり

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