anttiorbの映画、映像の世界

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拝み屋怪談Ⅱ 12

2019年作品、清水厚、大畑創監督、藤田富 北原里英 鎌田らい樹 久住小春出演。


金沢食堂の地下。 美琴(久住小春)が、心瞳(藤田富)に渡された狐の面をつけて扉越しに話しかけると、俊平(生田拓馬)は明らかにうろたえる。 不動明王真言を唱えながら地下に降りてくる心瞳。 心瞳の合図で地下の電気が消え、心瞳が扉を蹴破る。
部屋の中に入る、心瞳と美琴。 壁には、美琴のスカートの中や胸元を写した写真が貼られている。 俊平はずっと隠しカメラで美琴を盗撮していた。 心瞳が渡した狐の面は、俊平が外の様子を見ていることを確認するため。
壁には他に、月川涙(三咲弥生)の写真もある。 しかし心瞳いわく、この女性は二年前に新宿で投身自殺をした人で、月川涙などという名前ではない。 警察の現場写真がネットに拡散し、俊平がそれを自分のタルパ「月川涙」に仕立て上げた。 俊平は地下室で、タルパを好きなだけ作り出し、自分だけの楽園を作っていた。
俊平の後ろに現れた、美琴とリーリーの姿をしたタルパを見て叫ぶ美琴。 俊平の頭をつかんで呪文を唱える。


とうとうひきこもりの俊平の正体が、そして涙の正体、さらにはおぞましい行動が明かされます。 そしてその時の美琴の怒りは全てを消去していきますね。 ここで本当に力を持った霊能者に力を思い知らされますが。
しかしエピローグでまた現れた美琴の変わり果てた姿は、更なる物語を感じますね。

さて第2シーズンまで見ていきましたが、実はここで書いていない単発の話が今作には散りばめられていて、実はそれがこのシリーズのエッセンスになっているんですね。「怪談新耳袋」の初期の作品に通じる、これを見るとまた新耳袋を見直そうかと思います。


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キングコング対ゴジラ

1962年作品、本多猪四郎監督、高島忠夫 浜美枝 佐原健二 藤木悠 有島一郎出演。

パシフィック製薬の多湖宣伝部長(有島一郎)は、自社提供のテレビ番組「世界の驚異シリーズ」が不評のため悩んでいる矢先、南方野生薬草の調査旅行から帰った牧岡博士(松村達雄)から、ファロ島に大異変が起りつつあるという原住民の噂を聞くや、TV局の桜井カメラマン(高島忠夫)や古江社会教育部員(藤木悠)を海外取材班として急行させた。

そのころ、国連派遣の科学者を乗せて北極海を航行中の原子潜水艦シーホーク号は、突如大爆発を起した氷山から怪獣ゴジラが飛び出してくるのを見た。 彼は咆吼と共に放射能を吐きつつ北方軍事基地を粉砕、ベーリング海峡を一気に南下した。 

一方南海のファロ島に上陸した古江たち一行は、浜辺で大蛸と格闘するキングコングに胆をつぶした。 原住民の土器の赤い汁を飲んだキングコングは昏睡状態に陥って、難なく生捕りにされた。 大筏にしばりつけたキングコングを貨物船が曳いて日本へ向う途中、待ちきれない多湖がヘリコプターで飛んできた。

キングコングゴジラを戦わせれば、これ以上の宣伝はないと、大ハリキリだ。 が、ある日、大蛸が再び襲いかかってキングコングは海中に逃げた。 松島湾から日本本土に上陸したゴジラは、仙台市を過ぎ、時速五〇キロで南下を続けた。 防衛庁では科学者をまじえて対策を協議するが、ゴジラキングコングをぶつける以外に局面打開の道はない。 ゴジラを倒すには百メガトンの水爆攻撃が必要なのだ。

警察側は埋没作戦と、二十万V作戦を練った。 九十九里浜から潮来に抜けたキングコングは、中禅寺湖ゴジラと対決したが、強力放射能に敗れて姿を消した。 かくてゴジラは帝都に侵入、大東京は怪獣の蹂躙に遭って恐怖のドン底に陥った。 しかし、科学陣の二十万Vの高圧電線に触れたキングコングは、感電のショックで帯電体質となり、再び富士山上でゴジラと世紀の死闘を展開するのであった……。


もちろん「ゴジラvsコング」に繋がりはありませんが、懐かしくて、第1ラウンドを見てみました。
監督は本多猪四郎、「メカゴジラの逆襲」が東宝特撮最後の作品になっています。 いずれじっくりと一気見したいですね。
主演は高島忠夫ですかね? 記事にした作品はありませんでしたが、いつか東宝作品を書くと登場してくるでしょうね。
浜美枝は、「ホラ吹き太閤記」 https://anttiorb.hatenablog.com/entry/14910084 とか一連の「日本一シリーズ」や、東宝特撮作品にも出演していますね。


物語は制約会社のパシフィック製薬が提供番組のテコ入れで、何か大きなヒットを狙っていたところ、南の島の魔神の噂を聞きます。 そして桜井と古江が派遣されます。 一方で北極海の氷河からゴジラが復活します。 そしてゴジラは帰巣本能で、日本に向かい始めます。
魔神とはキングコングであり、桜井達はなんとかコング得お眠らせ日本に運ぶことに成功します。 そしていざ決戦に!


この作品は、年末や夏休みに、よくテレビで放送されましたね。 その度に必ず見ていましたが、流石に何十年ぶりだったので細部は忘れていましたね。 こののちにキングコングの権利を持っていた東宝は、キングコング作品を作りますが、それもいずれ機会があれば記事にしようかと思っています。

 

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ヤコペッティの さらばアフリカ

1966年作品、グァルティエロ・ヤコペッティ フランコ・E・プロスペリ監督。

偉大な探検家たちのアフリカ、子供たちに狩猟と冒険の舞台として愛されたアフリカは、永遠に姿を消した。 古いアフリカは驚異的な速さで破壊される。 私たちの支援がもたらした荒廃と虐殺が、新しいアフリカの姿だった。
植民地からの独立を果たし、式典で多様な民族が喜び舞い踊る。 様々な地で政治家が演説し、人々は沸き立つ。 アフリカの人々の手で生まれた新たな軍隊が行進し、植民地の支配者の軍隊は去ってゆく。 イギリスの最後の植民地総督も去り、この大陸から急いで去るヨーロッパ。
欧州はアフリカに多くを与え育てたが、もはや黒くて大きな赤ん坊を管理できなくなっている。 植民地の白人兵は装備を、新たに誕生した軍隊の黒人兵に引き渡す。
独立したばかりのケニアは、統治能力も警察能力も欠けていた。 独立に狂喜した人々は、外国製品の破壊を始める。 ポルトガルの卵、南アフリカ産のオレンジとビール。これらの商品が略奪され、熱狂する群衆の目前で潰され破棄されてしまう。


未体験ゾーンで3本上映されましたが、私はこれが一番ショッキングというか、生々しかったように思えます。


ヤコペッティは今作での処刑シーンで、殺人罪として訴えられることまで引き起こしてしまいましたが、アフリカのある意味語りたくない歴史であり、綺麗事ではなく、いかに旧統治国家がアフリカを勝手に荒らして、いきなり手を離してしまったのか? そんな気がする作品でしたね。


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拝み屋怪談Ⅱ 11

2019年作品、清水厚、大畑創監督、藤田富 北原里英 鎌田らい樹 久住小春出演。

家で風呂に入る心瞳(藤田富)。 ぬるめの湯に長く浸かるのが、背中の痛みには良かった。 湯船の中から、月川涙(三咲弥生)の頭が出てくる。
月川涙がいつもの言葉を言う「私…」突如電気が消え、再び明るくなった時涙は姿を消している。
心瞳は、美琴(久住小春)に連絡を取り再び話を聞く。 美琴は今でも毎週俊平(生田拓馬)のところに通っており、リーリーの話もしたという。 心瞳は、俊平が美琴が暑がるのを気遣ったと聞き、扉の向こう側からは美琴の姿は見えないのでは、と訝しむ。
昨晩ある夢を見たという美琴。 美琴は地下の扉の内側におり、そこには三つの人影。そのうちひとつは、月川涙だった。 心瞳は自分の元にも涙が現れたことを話し、協力すると申し出る。
タルパは作らない方が良いものなのか、と考える美琴。 心瞳は彼女に、タルパは意識しなくても作られることがある、とある廃屋の話をする。 その廃屋には赤いキャミソールを着た女や、白い服を着た少女の霊が出るという噂があり、そこを訪れた心瞳もそれを目撃した。


さてこのお話のクライマックスですね。 引きこもりの青年の俊平、しかし彼の態度にはムラがあることを美琴から聞き、心瞳が気が付きます。 そして自分も一緒に行くことと、ある細工をして美琴が近づくことを言いつけ、さらには、食堂の両親にも、解決すると言い切ります。


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Amiga

2020年作品、岡本Angelita美沙 まじょーる姉妹監督、ひづきようこ 岡本Angelita美沙 森本浩平出演。


芳川千雪(ひづきようこ)は、友人の長瀬冬子(岡本angelita美沙)に会いに沖縄に行く。 空港で待ち合わせをして、二人で過ごすことに。
彼女は今沖縄で一人暮らしなので、神戸に帰ったら? と千雪はいうが。 二人は沖縄の1日を満喫していくが...


岡本美沙名義で、旧作があるんですよね。「ひだるか」という作品で見る機会があればと思っています。
主演はひづきようこ、歌手として、そして昔は占い師として活躍をしていました。
まあ彼女はよく知っているし、お声は毎週聞いています。 それは「怖い水曜日」に出演しているから。 怪異蒐集家で、「怪談新耳袋」シリーズ https://anttiorb.hatenablog.com/entry/13870039 と言う書庫まで作っている原作者の木原浩勝と、プロレスラーの怪談好きプロレスラー:松山勘十郎と一緒に、“歌い怪談女“と言うキャッチが番組ではつけられています。


10分くらいの短編ですが、ホラーテイストで、ちょっと切ないお話でした。

 

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続・世界残酷物語

1963年作品、グァルティエロ・ヤコペッティ監督。


中南米の生きた虫の包み焼き、虫のアクセサリー、牛のフンで作ったマサイ族の家、オカマさん達のカツラ大会、人体お菓子の催し、オートメーション化、接吻ゲーム、ハワイの泥風呂、修行僧の焼身自殺、石頭コンテスト、人間音楽器(ビンタ音階)等が紹介される。


さて続編ですね。 すぐ翌年に公開されたということで、おそらく膨大な撮影で使いきれなかった映像が多くあったんでしょうね。 フランコ・プロスペリ制作にクレジットされていますが、共同監督表記もあり、基本二人は一緒に映画を作っていることがわかりますね。


続編は、いきなりの僧侶の焼身自殺がショッキングですね。 今だったら、中国のチベット侵略で、こういう画像を見たことがありますが、この時代の背景が今ひとつわかりません。
やらせシーンも多くあることが言われていて、カメラを向けると笑顔を見せる現地の人間、貧しさに不似合いな笑顔がなんか違和感があるんですがね。
このシリーズは当時の世界の矛盾、現実をある意味デフォルメしているんでしょうかね?

 

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拝み屋怪談 II ⑩

2019年作品、清水厚、大畑創監督、藤田富 北原里英 鎌田らい樹 久住小春出演。

食堂の地下室に引きこもる男 俊平から話を聞けることになった美琴(久住小春)。 紫ワンピースの女(三咲弥生)は彼の空想の恋人で、名前は月川涙:つきかわるいだと聞く。 彼によると、月川涙が頭の中からいなくなったという。 それから後、美琴の家に月川涙が現れる。 涙は、「私?」「私?」と繰り返す。 美琴の方を向いた涙の顔の、右半分が血まみれになる。部屋にあった水晶玉が砕け散る。
心瞳(藤田富)は美琴に、この件から手を引くべきだ、と告げる。 美琴は、タルパを消すだけならできるが、タルパたちは消えたくないと思っている、と語る。 これ以上話は聞いてあげられない、と心瞳は店を出る。
夜行バスの時間まで、新宿の裏町をさまよっている心瞳。 悲鳴を聞き、路上に倒れている人を見つける。 それは、紫ワンピースの女で、右顔面を地面に打ち付け、血だまりができている。
心瞳の背後に現れ、「私?」と言う女。 心瞳が不動明王真言を唱えると、女は消える。心瞳も月川涙にとり憑かれた。


涙役は三咲弥生、初め見る女優さんでしたね。 怖い話から巣立っていってほしいところですが。


さて、ワンピースの女は月川涙というタルパであって、それを作り出したのが引きこもりの男だと思っていましたが、まずは美琴に、さらには心瞳にもついてしまいます。 これはもう心瞳も引けなくなってしまいますが、ただ、ある発想が浮かびます。


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