2023年作品、松木創監督、じろう 伊勢佳世 中村鶴松 平田敦子出演。
第2話 虚言霊~憎しみに燃え上がる怨霊~
フリーのWEBライターをしている藤木七海(安藤輪子)は3カ月ほど前から、理由もなく腕や足が赤く腫れる現象に悩んでいた。 それはまるで火傷のように熱く、痛みを伴う。 皮膚科を回ったが、理由は全く見付からない。 そして1カ月ほど前から、心霊写真を撮ってしまうようになった。 七海がスマホで撮った写真が “心霊写真”化してしまうのである。
レンズを向けた自分の背後や風景の片隅に、得体のしれない黒い影のような男が写り込む。 男は全身が黒く汚れていて、眼だけが白く見開かれていた。 ある皮膚科で精神的なものではと指摘され、七海は中岡(伊勢佳世)のクリニックを訪ね、霊障と判断した中岡が稲生(じろう)の元に連れてきたのだ。
「では診察を始めます」 稲生が眼を閉じ、開けると、背後に心霊写真に写っていた男と同ように黒く煤けた顔の怨霊(浜野謙太)が出現した。 男の肌はまるで炭のような汚れに覆われており、所々赤く爛(ただ)れていた。 「おまえは誰だ」 稲生が聞くと、男は、篠田正紀だと答えた。 「俺は、3カ月前にこの世を去るまで七海と不倫していた」稲生が、篠田と不倫していたのかと聞くと、七海はこう答えた。 「確かに1年前までは正紀と付き合っていたけど、奥さんがいるって分かってからは、別れました。 だけど正紀は別れたくないと言ってストーカーになったから私は逃げた。 だから、正紀が今、死んでようが、生きてようが、私にはもう関係ない事なんです!」 すると篠田の怨霊は怒りに顔を歪ませ、七海の両腕を掴んだ。 すると七海の額から汗が噴き出した。 「熱い!痛い!」七海を掴む手に力を込めながら、篠田の怨霊は言った。 「俺は3カ月前、自宅に放火され、生きながら火事で焼かれて死んだ」 篠田の自宅に火を付けた放火犯はまだ見つかっていないという。 「俺が味わった苦しみを味あわせてやりたい。俺の家に火を付けたのは、この嘘つき女だからだ」 七海は苦しみながらも必死で否定する。 「私は放火なんてしていない…見たの?私が火を付けたところを…」 ――誰が嘘を吐いているのか? 人間と怨霊の攻防が始まる。
藤木七海役は安藤輪子、「哀愁しんでれら」 https://anttiorb.hatenablog.com/entry/2021/02/12/060000 に出演でした。
怨霊の篠田正紀役で浜野謙太、「アナログ」 https://anttiorb.hatenablog.com/entry/2023/10/12/060000 に出演でした。
その妻の篠田美沙子役で梶原ひかり、「勝手にふるえてろ」 https://anttiorb.hatenablog.com/entry/15296242 に出演でした。
別の依頼者の小野寺祐樹役で金井浩人、「決算!忠臣蔵」 https://anttiorb.hatenablog.com/entry/2019/12/15/060000 に出演です。
この回から、1話完結から少し、次回に繋がりが出てきます。
そして今回は捨て身のやり方で知性が活躍しますが、謎のシーンも多く、別の大事件も起きてしまいます。