anttiorbの映画、映像の世界

不定期で、旅ブログも立ち上げます!

ビヨンド・ユートピア 脱北

2023年作品、マドレーヌ・ギャヴィン監督。

韓国で脱北者を支援するキム・ソンウン牧師の携帯電話には、日々何件もの連絡が入る。 これまでに1000人以上の脱北者を手助けしてきた彼が直面する緊急のミッションは、北朝鮮から中国へ渡り、山間部で路頭に迷うロ一家の脱北だ。 幼い子ども2人と80代の老婆を含めた5人もの人たちを一度に脱北させることはとてつもない危険と困難を伴う。 キム牧師の指揮の下、各地に身を潜める50人ものブローカーが連携し、中国、ベトナムラオス、タイを経由して亡命先の韓国を目指す決死の脱出作戦が行われる。

監督はマドレーヌ・ギャヴィン、初めて作品を見ますが、編集参加の作品は多いですね。

北朝鮮を描いた作品は、再現ドラマ的な感じの作品、邦画は数本あります。ドキュメンタリーでは、「将軍様、あなたのために映画を撮ります」 https://anttiorb.hatenablog.com/entry/14565466 「わたしは金正男キム・ジョンナム)を殺してない」 https://anttiorb.hatenablog.com/entry/2020/11/20/060000 「ちょっと北朝鮮まで行ってくるけん。」 https://anttiorb.hatenablog.com/entry/2022/02/10/060000 を記事にしています。


今作は冒頭に、再現シーンは一切なく、実際の脱北の映像と表示されます。 そんな動画が撮れるのか?
もちろん、そのためニアある人物の活動、功績があるんですね。 韓国人牧師のキム・ソンウンという人が、この手引きをしてくれます。 というか、各国に彼独自のネットワークというか、協力者がいるんですね。 しかしその多くは“ブローカー“と言われる、お金のためにやっている存在。
そして、成功するものがいるその周りにはより多くの脱北に失敗した北朝鮮人がいることが、この作品の背景に見えるんですね。
5人は、最終的にはなんとか韓国に辿り着きますが、もう一方で、失敗して、北朝鮮に送還され、おそらく生きて帰ることのできるのが難しい収容所に送られる存在も。 日本人監督ではなかなかできないところまで突っ込んだ北朝鮮の内情を描いた衝撃作ですね。