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福田村事件

2023年作品、森達也監督、井浦新 田中麗奈 永山瑛太 東出昌大 コムアイ 松浦祐也 向里祐香 杉田雷麟 カトウシンスケ 木竜麻生 ピエール瀧 水道橋博士 豊原功補 柄本明出演。

1923年春、澤田智一(井浦新)は教師をしていた日本統治下の京城(現ソウル)を離れ、妻の静子(田中麗奈)と共に故郷の福田村に帰ってくる。 智一は、日本軍が朝鮮で犯した虐殺事件の目撃者であった。 しかし、妻の静子にも、その事実を隠していた。 

その同じころ、行商団一行が関東地方を目指して香川を出発する。 9月1日に関東地方を襲った大地震、多くの人々はなす術もなく、流言飛語が飛び交う中で、大混乱に陥る。 そして運命の9月6日、行商団の15名は次なる行商の地に向かうために利根川の渡し場に向かう。支配人と渡し守の小さな口論に端を発した行き違いが、興奮した村民の集団心理に火をつけ、阿鼻叫喚のなかで、後に歴史に葬られる大虐殺を引き起こしてしまう。

監督は森達也、「i-新聞記者ドキュメント-」 https://anttiorb.hatenablog.com/entry/2019/12/11/060000 他多くのドキュメンタリー作品を記事にしています。
澤田智一役は井浦新、「人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした」 https://anttiorb.hatenablog.com/entry/2023/11/06/060000 がまだ公開中ですね。
その妻・静子役で田中麗奈、「犬部!」 https://anttiorb.hatenablog.com/entry/2021/07/27/060000 に出演でした。

時代背景もありますが、まさに日本人の恥、醜さ、愚かさを感じる作品ですね。 日露戦争が終わって、日韓併合で、朝鮮人に対して高圧的で差別的な態度をとっていた日本人、今なら恥ずべきことですが、私の幼い頃でも、祖父母の世代にはこの名残があったように感じました。
そしてまだ表面化にはなっていない時に起こった関東大震災。 ここで、誰が流したか、朝鮮人が暴徒となり、あらゆる悪事を働いているというデマが巻き起こりました。作中では、どうやらそれは警察の一部から流された赤狩りを目的に、朝鮮人、中国人、社会主義者を根こそぎ捕えて、抹殺しようとする、虐殺、ジェノサイドだったという側面がこの作品からは感じられました。

このどさくさで、平澤計七も逮捕、処刑され、当時の軍国主義一辺倒の愚かな日本の縮図をまざまざと見せつけられた秀作でした。
でも、森監督は、今のきな臭い日本も投影している作品に仕上げたと、感じられましたが。