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動乱

1980年作品、森谷司郎監督、高倉健 吉永小百合 米倉斉加年 田村高廣出演。

昭和七年四月、仙台連隊。 宮城啓介大尉(高倉健)が隊長をつとめる中隊の初年兵、溝口(永島敏行)が脱走した。 姉の薫(吉永小百合)が貧しさから千円で芸者に売られようとしていたからだ。 溝口は捜索隊の上司の原田(小林稔侍)を殺してしまい、宮城は弁護を申し出るが聞き入れられず、溝口は銃殺刑に処せられた。

宮城は父・広介(志村喬)に用立ててもらった千円を香典として渡す。 当時、日本は厳しい経済恐慌に包まれ、これを改革すべく、一部の海軍将校と陸軍士官候補生らが決起した。 五・一五事件である。 クーデターは失敗に終り、陸軍内部の皇道派と統制派の対立を激化させた。 この影響は仙台にいる宮城にまで及び、部下から脱走兵を出した責任で朝鮮の国境守備隊へ転任を命じられる。 そこは、朝鮮ゲリラへ軍需物資の横流しが平然と行なわれる腐敗したところだ。 官城は将校をねぎらう宴に招待され、そこで芸者になった薫と再会する。 薫を責める宮城。数日後、薫が自殺を図った。 宮城は軍の不正を不問にすることで、薬を入手し薫の命を救う。その頃、国内では統制派によって戦争準備が押し進められていた。


これは2部構成になっています。
監督は森谷司郎、「小説吉田学校」 https://anttiorb.hatenablog.com/entry/9376737 を記事にしています。
高倉健は、「あなたへ」 https://anttiorb.hatenablog.com/entry/6847055 が遺作になりましたね。
吉永小百合はまだまだ現役、「いのちの停車場」 https://anttiorb.hatenablog.com/entry/2021/06/03/060000 が近作ですね。


物語は第二次対戦前の日本の軍事国家時代ですね。 仙台連隊にいた宮城の指揮下で、脱走事件が起きます。 脱走兵の溝口は宮城から見て純粋な部下でしたが、その理由は家庭の事情を彼が知ってしまったことからでした。 もちろん脱走は重罪で、さらに彼は捜索隊の上司を誤って殺害してしまいます。 宮城はなんとか裁判をするため弁護を申し出ますが、彼は銃殺されてしまいます。 しかし貧困に苦しむ溝口の家に借金をしている千円を父から用立てて渡しますが、その姉に思わぬ場所で再会する宮城でした。


今作はもちろん2.26事件を題材にしていますね。 その前に起こった5.15事件ははっきりとそう述べられていますが、こっちはフィクションという仕立てになっています。 ただほとんど名前さえかえてありますが、間違いなく史実に沿っているんでしょう。
この2回の軍事クーデターの失敗により、日本は泥沼の日中戦争、日米開戦になっていきますが、止められなかったんでしょうね。

 

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