1959年、ル・マン。 ドライバーのキャロル・シェルビー(マット・デイモン)は、レーシングスーツに火が引火したことも気にせずレースを続行し優勝。 しかし、医者から心臓が持たないとドクターストップが掛かり引退を余儀なくされる。
ケン・マイルズ(クリスチャン・ベール)は妻・モリー(カトリーナ・バルフ)と息子・ピーター(ノア・ジュープ)と暮らす車のメカニック。 人に媚を売らないケンは、態度の悪い客に運転の仕方が問題だと指摘し怒らせてしまうがお構いなしだった。シェルビーは、そんなケンが持つドライバーの才能を高く評価していた。
しかし、戦争に従軍したケンは、ポルシェから声が掛かっても、ドイツ人は嫌だと一蹴。シェルビーは、スポンサー無しではレースに参加する車が供給されないとケンに忠告するのだが。
頑固なケンに腹を立てたキャロルは悪態をつき、馬鹿にされたケンは、シェルビーにレンチを投げつける。彼は上手く交わし、レンチはレースに乗るはずの車のフロントガラスを破壊してしまう。
半分割れたままで運転するケンをからかう他のレーサーに、ケンは、新しいデザインだと素知らぬ顔なのだった。 投げつけられたレンチを拾ったシェルビーは、じっとレースを観戦。 故障が続出する車をものともせず、ケンは見事な運転技術を見せて優勝する。
フォード社のリー・アイアコッカ(ジョン・バーンサル)は、スポーツカーが主流となる時代を迎えたとプレゼンテーションする。 社長ヘンリー・フォード2世(トレイシー・レッツ)は、エンゾ・フェラーリこそ最高の車を製造した人物であり、ル・マンの勝利者というイメージがあると聞き興味を持っていた。
側近のレオ・ピーピー(ジョシュ・ルーカス)は、開発に長い年月が掛かると難色を示すが、アイアコッカからフェラーリが破綻寸前だと聞いたフォード社長は買収を決定する。
しかしフォードは、フェラーリに完全に馬鹿にされてしまう。 そしてフォードの怒りが盛り上がり、シェルビーとケンの運命が大きく変わっていく・・・
レースのお話が結構なウエートを締めますが、男臭い作品でしたね。
監督はジェームズ・マンゴールド、「LOGAN/ローガン」 https://anttiorb.hatenablog.com/entry/14958381 が近作ですね。 SFでしたが、これも渋い作品でした。
でも、一番光っていたのがモリー役のカトリーナ・バルフだったと思います。「マネーモンスター」 https://anttiorb.hatenablog.com/entry/14208963 に出演していました。
物語はもちろん実話で、フォードが高級車から大衆車に移行する中、売り上げが鈍り、何とか起死回生でレースに出場したらという話が出てきます。 しかしまったくノウハウのない彼らは、フェラーリ買収の選択をします。 しかしフェラーリは裏でフィアットと繋がっており、まんまと出し抜かれてしまいます。
フォードの怒りは、打倒フェラーリとなり、そこでまずはシェルビーを、そして彼がケンを引き込んでいくんですが、道のりはまだまだでした。
今作は私の苦手なレースのお話なんですが、逆に男のドラマであり、親子のドラマ、そして夫婦のドラマの部分も大きかったですね。 ケン・マイルズは不運なドライバーでしたが、彼のドライブングテクニック以上にメカニックも素晴らしいんですね。 そして何より、彼の夢を強烈に応援する妻、そして同時に一生懸命不安に耐える彼女が、なんともいじましいし、男前なんですね。
ちょっとぐっと熱いものが湧き上がる作品でした。
フォードは時代に乗り遅れていた
フェラーリ買収も失敗して彼に白羽の矢が
そしてケンを巻き込み
ケンの会社は抵当に入ってしまう
息子と
そして打倒フェラーリに向かって