長野県のとある精神科病院では、様々な事情や精神的な病を背負った患者たちが暮らしていた。
母親や妻を殺害した罪で死刑判決を受け、死刑の執行を受けながらも一命をとりとめ、精神病院送りにされた梶木秀丸(笑福亭鶴瓶)。 幻聴に悩まされて、暴れるようになり、家族から厄介者払いのように病院に入院させられた塚本中弥(綾野剛)。 その他にも認知症を抱えた人、家族もおらず身寄りもない人、言葉を上手く話すことができない人など、様々な人がいた。
そんな病院に、ある日、島崎由紀(小松菜奈)という女子高生がやって来る。 彼女は、父親(山中崇)からレイプされ、妊娠し、母親(片岡礼子)からも冷遇されるなど自宅に居場所を失っていた。
由紀は、病院にやって来るなり、屋上へと逃亡し、秀丸の静止を無視して飛び降りてしまう。 幸い命に別状をなかったものの、流産し、その後病院に入院することとなる。
秀丸や中弥を中心にして、少しずつ由紀は精神的にも落ち着きを取り戻し、笑顔を見せるようになっていく。 しかし、病院の厄介者で、暴力的な男の重宗(渋川清彦)が、とんでもない事件を起こしてしまうのだった・・・
ちょっとつらいお話でしたね。
綾野剛は、「楽園」 https://anttiorb.hatenablog.com/entry/2019/11/07/060000 と連続で出演作公開ですね。
小松菜奈は、「さよならくちびる」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/15969246.html 以来の作品ですね。
物語はある死刑囚の執行シーンから始まります。 しっかり手順どおり行われた死刑だったんですが、なんとその男は生きていました。 一度執行されたということで、もう一回行うことは出来ず、彼は手当てを受け生き延びます。
そこはある精神病院、車椅子生活となっていた秀丸は、離れで陶芸をする生活をしていました。 ここは一時的な施設で、自主的に入院するもの、家族に捨てられたも同然で入院するもの様々でした。
中弥は、発作さえ起きなければ普通で、家族とはなれるために自主的に入ってきて、ここでは外で買出しをして高く患者に売りつける商売もどきもしていました。
そんな時入院してきたのが由紀でした。 初めは心を開かず、いきなり自殺未遂、口も利きませんでしたが、秀丸や中弥と仲良くなっていきます。 しかし一度、父が迎えに来ます。 またあの地獄が始まる、そう思った彼女は、また病院に駆け込んできます。
しかしここにもとんでもない患者がいました。 それは薬中の重宗でした。
今作は、なかなか重い作品ですね。 秀丸の犯した殺人はもちろん重罪ですが、多少同情の余地があります。 情状酌量はなかったのかな? と思いましたが、物語の後半を見ると、秀丸がいかに人生をあきらめたのかが、そういう気持ちだったのかがわかります。人生を二度も諦めた彼が、最後に起こす行動、ここは見せ場でした。
中弥は発作が起きると
秀丸が庇ってくれる
そんな時、由紀が入院してくる
そして外出をする穏やかな日々
カラオケ大会の日
重宗が秀丸の過去を明かしてしまう