堅書直実(北村匠海)は昔から『何かを決める』のが大の苦手だった。 隣の席のクラスメイトに声をかけるかどうか。 そんな簡単なことでさえ迷ってしまい、結局、声をかけられない。 だから、直実には友達がいない。 いつも自分の席で本を読んでいる。 逃げてばかりの自分の性格が、直実は嫌いだった。
そんな時、何もない空間から、いきなり大人の男(松坂桃李)が転がり出てきた。 男はこちらの顔を見るなり、ひどく嬉しそうな顔をした。「堅書直実っ!」(なんで僕の名前を!?)
直実は怖くなって一目散に逃げだした。 しかし、案の定というべきか、男は追いかけてくる。 逃げながら、直実は3つのことに気がついた。 男の姿は直実にしか見えていない男の声は直実にしか聞こえていない男の体はまるで立体映像のように、あらゆるものをすり抜ける「あなたは、いったい」どもりながら尋ねる。
すると、男は強く精悍な大人の声で答えた。「教えてやるさ。 俺が何者なのか。 そして、お前が何者なのか」にやり、と男の口元が歪んだ。
「2020年。ここ、京都の地において『クロニクル京都』の真の計画が秘密裏に始動した」クロニクル京都。 表向きには、京都の地理情報の移り変わりを詳細に記録する事業とされている。『アルタラ』という無限の記憶領域を持つ装置がそれを可能にしているとか。その事業に、別の目的があった……?
男の話は続く。「その計画とは、大量の測定機器を用いて京都の都市全域を精密に測定し、アルタラに京都の全事象をまるごと記録しようというものだった」世界のデータ化。 記録された過去の世界の人々は、自分がデータ上の存在だと気づかない。
男はゆっくりと結論を告げる。「2027年4月17日。ここはアルタラに記録された『過去の京都』で、お前はアルタラに記録された『過去の堅書直実』」衝撃の話をされ圧倒される直実、しかしなかなか理解もできないのだったが・・・
なかなか面白い設定の世界観ですね。
監督は伊藤智彦、劇場版監督作品を見るのは初めてですね。
そして松坂桃李、「新聞記者」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/15983870.html が近作でした。
物語は、控えめで引っ込み思案の堅書直実の前に現れた謎の男と、ヤタガラス。 どうやら彼らに実体はなく、ホログラムのような別世界の存在のようでした。 しかしそれ以上に驚いたのは未来の存在、さらには直実の世界も実態がないといわれたことでした。 しかしある運命を変えるために未来から来たという、謎の男、しかしそれは大変なことでした。
今作は、人間の運命は変えられるか、もう決まってしまったことを変えるには、大きな力で引き戻される、運命の絶対性が語られますが、実は最後にどんでん返しが来るんですね。 ラストまでちょっと目が離せない近未来SFアニメ作品です。
2020年の京都
何事も踏み出せない直実
そこにいきなり現われた謎の男
目的は彼女との関係
しかし彼女を見たとき彼の目に涙が
そして同じ図書委員となって近くなっていく