anttiorbの映画、映像の世界

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いのちの岐路に立つ ~核を抱きしめたニッポン国~

2017年作品、原村政樹監督。

あの福島第一原発事故から6年。 避難地域の解除が進む中で、放射能の 「緩慢なる脅威」  がひろがり、原発崩壊が故郷崩壊に連鎖していく。 “唯一の被爆国” を喧伝して敗戦72年を迎えた。 ヒロシマナガサキ被爆死者214,000人。 ビキニ水爆実験による船員たちの被爆原発労働者の被曝がつづく。 なぜ、原発再稼働にこだわり、核による厄災を繰り返すのか。
かつて 「原発立地を断念させた町」 でバイブルになった 『原発黒書』(1976年・原水爆禁 止日本国民会議発行)には、放射能汚染の実態をふまえ、「想像を絶する最大想定事故」 が、まるで福島第一原発の過酷事故をなぞるように 「冷却材喪失事故の進行過程」 をメルトダウン、水素爆発等を生死刻々の迫真力で記し、“核時代を生きる” 覚悟を問う。
今や、放射線危険管理区域マークが日本列島におおいかぶさっている。 保守・革新やイデオロギー、老若男女を問わず、だれもが 「いのちの岐路」 に立っている・・・

原発事故からもう8年ですね。
監督は原村政樹、作品を見るのは初めてです。
今作は、原子力をテーマにしています。 もちろん広島、長崎の原爆から始まり、ビキニ水爆実験で被爆を受けた第五福竜丸の事象、そして一番衝撃的だったのが、原発で作業に従事する方たちの被爆、これは最も重大事だということですね。
福島の事故で作業に関わるブラックな事は、いろんなところで噂になっていることですが、国内の原子力発電に関わることは、なにか事故があった時にようやく語られること。
そしてこれはしっかりした基準で管理されていると誰しもが思っています。 しかし実態はそうではない、さらに原子力産業がいかに恐ろしい側面を持った国家が直轄する事業だという事が、映画を観ていればわかります。
原発誘致の調査を始めてしまったらもう終り、反対運動をするタイミングがいかに重要か、原発を作ることは、その地域に経済的恩恵がいかに大きいか、その反面大きすぎるリスクを背負うことになる。
これは福島だけの問題ではない事が痛感します。

映画終了後、プロデューサーの矢間秀次郎氏のトークショーがあり、私も質問させていただきましたが、聞きたいことをしっかりと応えてくれました。
どうして被爆裁判に勝てないのか?それはそういう構造に、原子力産業は国家なりになっているんですね。

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被爆をした女性

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それぞれに経験を語る

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そして原子力の怖さを訴える

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原発誘致を撤回させたところも

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矢間秀次郎プロデューサー

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