anttiorbの映画、映像の世界

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LIVE! LOVE! SING! 生きて愛して歌うこと(ドラマ版)

2015年作品、井上剛演出、石井杏奈主演。

東日本大震災の被災地、そして原発事故で立ち入りが制限されている福島県富波町から、高校生・朝海(石井杏奈)は、神戸に避難生活のため引っ越してきていた。ここでも彼女は馴染み始め、合唱部の顧問の高校教師岡里(渡辺大知)とはこっそり付き合っているのだった。 ただ、デートをやんわりとするきわめてライトな付き合いなのだが。
師岡は春のお別れ会で 「しあわせ運べるように」 という合唱曲を歌おうと、生徒に強く言うのだった。 放課後、喫茶店で朝海にも歌ってほしいと強く言うのだが、彼の母・ミドリ(南果歩)からもあの歌はあまり聞きたくないと言われてしまうし、朝海はこの地に引っ越してきてやはり被災地から来たという目で見られている自分を気にしていたことがわかるのだった。 そして師岡はさらに突っ込んでしまい、朝海は怒って飛び出して行ってしまう。
「しあわせ運べるように」 という曲は、阪神・淡路大震災からの復興を願って作られた曲だった。
朝海は二度と帰れないかもしれない故郷と、復活できた神戸を比べることに憤っていたのだった 「富波町の被害は、神戸みたいにチ ャラくない!」 とまで喫茶店で叫んでしまった。
そんな時、朝海小学生時代の同級生で福島にいる本気(前田航基)から、タイムカプセルを掘りに来ないか? とメールを受け取る。 同郷で関西で暮らす津波で家族を失った寡黙な勝(柾木玲弥)と待ち合わせをして、旅に出る。
朝海の様子が心配で後を付けていた岡里も同行することになる。 横浜からは派手なファッションの香雅里(木下百花)も合流し、福島へ向かい、本気と合流する・・・

これは本放送を見逃してしまったNHKの特別ドラマでした。 再放送もあったみたいですが、地域限定でこれも見られず、劇場版公開も小規模でなかなか辛い場所でした。 いつか劇場版のロングバージョンを見て見たいところです。
演出は井上剛、多くのヒットドラマの演出を手掛けていて、「あまちゃん」 「64」 「ハゲタカ」 「トットてれび」といったヒット作目白押しですね。
主演は石井杏奈、E‐girlsのパフォーマーの彼女ですが、グループ内ではまだまだひよっこ扱い、なかなか体育会系のグループなんで、女優の実績は全く別といっ た感じですが、女優として私は好きな若手ですね。 最新作の 「スプリング、ハズ、カム」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14788317.html は彼女の傑作だと思っています。
そして前田航基、俳優として今後は行くんでしょうかね。 高校を卒業して大学に進むようですが、芸能活動はいままでよりもしやすくなるんでしょうか?
なんと言ってもこの作品のために髪を染めたと言われている木下百花。 NMB48の秘密兵器と言われ、一度は卒業危機もあった彼女は、今や貴重な一期生で特化した存在ですね。 私は山本彩とともにNMBでは一押しです。 女優としてもっと勝負してほしいところなんですがね。
この作品、実際に被災地まで行ってロケをしているんでしょうね。
井上監督は実際に被災地でロケをすることにさすがに躊躇したようですが、しかし神戸でのドキュメンタリーを作っている彼は後ろを押されれる様に敢行します。 神戸はあの大震災から見事に立ち直っています。 三宮にたまに行きますが、もう震災のカケラも私たち遠くに住む者は感じられない。
でもそこに住んでいた方たちにとっては、終わったようで終わっていない、生きている限りふとしたことでよみがえる事なんでしょう。
今作で、高校生の4人と、高校教師と5人で被災地に上手く潜り込んだ中で、たった一人、暮している女性アスカさんに出会うんですね。 ともさかりえが好演していますが、彼女は誰もいないこの地に何故たった一人で住んでいるのか? それはいまだに行方不明の夫を探しているんです。
「きっと見つかるよ」 と朝海が声をかけた時 、彼女の感情が爆発するシーンは心がきゅーっとします。
「見つかったら終わってしまう。 見つかるわけがない!」 泣き叫ぶアスカですが、朝海だけでなく、他の4人も凍り付いてしまうところでした。
今日はあれから丸5年経った日です。 被災地以外の人にとってはだんだん薄れる記憶かもしれませんが、日本人として忘れてはいけない記憶、そしてそれを昇華して行かなきゃいけない体験なんでしょう。

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今は神戸に来た朝海

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5人で被災地に

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しかし許可なく立ち入れない

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上手く入ることが出来た5人

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そこで見た現状

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そこにいたアスカさんの店で一泊

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