1995年、ロンドン。 雨の中、ある高級ホテルにアジア系の親子が到着した。 女性は 「エレノア・ヤン」 と名乗って、スイートを予約していると言うが、ホテル側は 「予約ははいっておりません。 満席です」 と彼女を拒否する。 あげくに 「チャイナタウンでも散策されては?」 と付け加えるありさまだった。
「電話くらいお借りしても?」 と女性は尋ねるが、その電話すら外の公衆電話に行かされる羽目に。 やがて、ホテルのエレベーターのドアが空いて、カルソープ卿(ピーター・キャロル)があわてて飛び出してきた。 「今、ご主人と話したよ。 私は代々所持した事業を手放す。 このホテルの経営権はシンガポールのヤン家が買ったので、今日からオーナーは彼女だ」 唖然とする従業員を前に、ヤン家の親子はエレベーターに乗り込むのだった。
2018年 ニューヨーク。 ニューヨーク大の経済学の教授であるレイチェル・チュウ(コンスタンス・ウー)は、恋人ニック・ヤン(ヘンリー・ゴールディング)から、親友の結婚式に出席するため、故郷のシンガポールに帰るのだが、一緒に来ないかと誘われる。
この際、親にも紹介しておきたいからと言う彼の言葉にうなずくレイチェル。 そんな二人の姿を 「ラジオ女」 と呼ばれるゴシップ好きの女がSNSで拡散。 二人が結婚するのではという噂がまたたく間に拡散されてしまう。 それはシンガポールのニックの母親(ミシェール・ヨー)にも伝わってしまう。
飛行機に搭乗すると、専任バトラーが待機する超豪華なVIP席に案内され、レイチェルは初めてニックが大変なお金持ちであることを知るのだった。 初めてのアジア旅行に胸をときめかせながらも、ニックの家族に会うことに緊張するレイチェル。 シンガポールに着くと、ニックの親友のコリン・クー(クリス・パン)とフィアンセのアラミンタ・リー(ソノヤ・ミズノ)が迎えてくれた。 四人は屋台で飲んだり食べたりして、楽しい一時を過ごした。
ホテルで一泊した翌日、レイチェルは付添人の打ち合わせがあるというニックと分かれ、大学時代の友人、ペク・リン・ゴー(オークワフィナ)の自宅を訪ねた。
彼女も裕福な家の娘ですが、ペクは独特のファッションセンスと、冴えたトークをする個性的な女性。 ペクはレイチェルがレイチェルの母親のアドバイスで選んで持ってきたドレスにダメ出しし、自分のクローゼットからドレスを選んでくれた。
ペクの運転する車でニックの家に行くと、そこは迷子になるような広大な土地に建つ、豪勢なお屋敷だった。
ニックはアジア屈指の不動産王の御曹司だったのだ。 ニックの家族との初めての対面は驚くことばかり。 結婚前のバチェラーパーティーの会場はなんと海上に浮かぶタンカーの甲板。 水着姿の大勢の女性が集まり、派手な音楽が鳴り響いていた。
パーティーの主役のはずのコリン・クーは、「親友とビールを飲んでサッカーできればよかったんだけど」と苦笑い。 すきをみて、ニックとともに会場をヘリコプターで脱出する。
筏でくつろいでいた二人だったが、コリンはニックに 「君は将来は家に戻る身だ」 と語りかけられる。 ニックとレイチェルのことを心配しているのだった。 「レイチェルはニューヨークを愛している。 立派な仕事も持っている。 ニコラス・ヤン夫人になれば毎日が闘いになるんだぞ」
その頃、レイチェルはアラミンタ・リーによる 「バチェロレッテ・パーティー」 に招待されていた。 しかし、そこで、彼女は嫉妬する女性陣から、様々な嫌がらせを受けるはめになってしまう・・・
アメリカ映画ですが、中国系の民族の作品です。
ニック役はヘンリー・ゴールディング、彼は初めて見ますね。
そしてエレノア・ヤン役でミシェル・ヨー、彼女は有名で出演作も多いですね。 近作は 「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14921015.html にちらっと。
物語は、相手の家族体系を知らずにアメリカで付き合い始めた若き大学教授のお話ですね。 交際は順調でしたが、相手のニックは自分のことをあまり話したがらないんです。 そしてとうとう友人の結婚式に行くという口実で、家族に合わせることになります。
そして行きの飛行機はリッチなクラス、ここで、彼の身分がわかってきます。 それからは彼女は、彼の家族とのギャップに、そしてアイデンティティに悩むことになるんですね。
中国系でも、アメリカで生まれ育った人間と、アジアで暮らしている中国系は違う、そうはっきりといわれてしまうんですね。
さてふたりの関係はこれで終わってしまうのか? ニックと、母、そして祖母、さらにはレイチェルの母の隠された境遇、すべてが明らかになったとき、二人の選択が試されます。