anttiorbの映画、映像の世界

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走れ、絶望に追いつかれない速さで

2015年作品、中川龍太郎監督、太賀 小林竜樹 黒川芽以 藤原令子出演。

男子大学生の村上漣(太賀)と葛西薫小林竜樹)は、親友同士だった。 部屋を間借りして、ルームシェアしていた。 漣は高い場所が苦手だったので、薫が二段ベッドの上を使っていた。
漣と薫はいつも一緒におり、仲がよかった。 大学の途中で薫に恋人・理沙子(黒川芽以)ができてからは、一緒に行動する時間が多少は減ったものの、それでも親友同士だと思っていた。
就職活動の時期になり、留年が決まっている漣に対し、薫は大阪に就職先を決める。 遠距離恋愛は続きそうにないからと、薫と理沙子は別れを決める。 円満な別れだった。
居酒屋で気の置けない仲間たちを集めた送別会も開かれ、薫は楽しそうに仲間たちと別れを惜しんでいた。 別れる時も、薫は笑顔だった。
しかし、その後、薫が死んだという知らせが舞いこむのだった。 ショックを受けた漣は大学を中退した。 製鉄工場で下働きをする日々を送りはじめる。 薫が死んでも世界は変わらず、気付けば薫の一周忌になっていた。
薫の実家で一周忌がもよおされ、漣は仲間たちと久しぶりの再会を果たす。 仲間たちは 「社会人一年目で自殺、気持ちは分からなくもない」 と言っていた。 しかし漣は、薫の死に納得いかないままだった。
一周忌の後、漣が薫の両親に呼びとめられる。 薫の両親は、理沙子は元気かと聞いてきた。 漣も理沙子と会っていなかったので、正直にそう答えた。
薫の兄(宮本行)が、薫が最後に描いたという絵を見せて頼みごとをしてきた。 薫が最後に描いた絵は女性のバストショットだったが、それは理沙子ではなく見知らぬ女性なのだった。
兄が言うには、それは薫の中学の同級生の斉木環奈(寉岡萌希)という女性なのだそうだ。 「こんな絵描いて死ぬなんてなあ」 と漏らした兄は、その絵を持って環奈に薫の死を知らせてほしいと頼みこむ。
戸惑いながらも、漣は引き受けるのだった・・・

ちょっと切ない短編でした。
監督は中川龍太郎、新作は 「四月の永い夢」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/15525406.html ですが、これはいい作品でした。
主演は太賀、若いけどいい俳優になりつつありますね。 近作は 「50回目のファーストキス」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/15542288.html で弟役でしたがちょっとゲイっぽかったですね(^^)
そして小林竜樹、「何者」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14504070.html に出演していました。

物語は、死んだ親友の1周期にあるものを家族から渡されます。 それを手に旅に出る青年のお話です。 親友は自殺をしたんですね。 どうしてなのかは、周りも、はなれて暮らしていた漣もわかりません。 もしかしたら円満に別れた彼女のことがあったのかも。 しかし渡された絵には別の女性が画かれていました。
この主人公の漣は、親友の死から、半分もっていかれた様になっています。 大学も中退して働き始めていますが、どこか暗く、会社を休んで旅に出るとき、無愛想な先輩は、一言 「死ぬなよ」 というくらい、暗かったんですね。
この旅は漣の自分を取戻す旅でもあったようです。 理由もわからない突然の死、悲しみよりも、驚きが強いってことでしょう。

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仲のいい親友だった

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しかし彼は突然死んでしまう

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漣は大学をやめ働き始める

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そして友を偲ぶ

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そして彼女を探しに行く漣

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