anttiorbの映画、映像の世界

yahooから引っ越してきました。よろしくお願い致します!

blank13

2018年作品、斎藤工監督、高橋一生 松岡茉優 斎藤工 神野三鈴出演。

ギャンブル好きで借金を残したまま13年前に突然蒸発した父親・松田雅人(リリー・フランキー)。 幼いコウジは、そんな父が好きだった。 
ある日作文で、褒められたので、必死に父を探して、雀荘を片っ端から訪ねて歩く。やっと見つけた父は、あとで読むと言って麻雀に夢中だった。 暑い日で、彼のTシャツは汗でびっしょりだった。
父との思い出はキャッチボール、しかし家に帰ると、借金取りは昼夜問わず押しかけ、母親・洋子(神野三鈴)と兄と4人で必死に音をしないように居留守を使っていた。
ある日父はたばこを買いに行くと言って出て行き、それっきりだった。 その後母の苦労は過酷なもので、新聞配達、内職、夜は水商売、兄と弟も、母を支えるため、事故に遭った時は代わりに新聞を配っていた。
成長したヨシユキ(斎藤工)から父が生きている、そして余命わずかだと知らせるため、久しぶりに3人が集まった。 父には恨みしかないとコウジに語る2人、会いにはいかないという事であっさり話し合いが終わる。
迷った挙句、父の病院に行くコウジ、しかしなんとなく失望したコウジは、もう二度と行かないと思ったのだった。
コウジはいま付き合っている彼女・サオリ(松岡茉優)がいた。 彼の仕事は現金輸送車の運転手、その銀行に勤めている彼女だった。 そして彼女が強くもう一度会うことを勧め、仕方なく二人で雅人に会いに行く。
雅人はコウジに小遣いを渡す。 その帰り道サオリが妊娠したことをコウジに伝えるのだった。
そして、父が亡くなる。 その葬儀は大きなお寺の横の小さな公民館のような場所だった…

時間にして70分くらい、短い作品ですが、これは面白かったし、深かった。 映画としても独特な間があるいい作品です。
監督は初の斎藤工、初めての監督、出演作は今公開中の 「マンハント」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/15374900.html のちょこっと出ています。
そして松岡茉優、初主演作はまだ公開中の 「勝手にふるえてろ」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/15296242.html ですね。
そしてリリー・フランキー、昨日の記事以外の近作は、「探偵はBARにいる3」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/15274685.html もありました。

物語は、主に葬式における、友人たちの生前の雅人を振り返るシーンが半分くらい締めます。 もちろん笑えるシーンもありますし、隣の寺で葬儀をしている同性の故人、みんな間違えてお焼香に来ますが、雅人の方には数えるほどにしか、弔問客は来ません。 受付のサオリはいたたまれず途中で、引っ込んでしまいます。
格の低そうなお坊さんのお経が終わるんですが、このお坊さんが粋な計らいを見せるんですね。 参加した弔問客に、自己紹介を兼ねて、生前の故人との思い出を語ってもらおうというんですね。
こんな葬式は初めて見ました。 でも、これは実に良いんですね。 家族のだれもが口にできない、したくない空白の父の13年、しかし彼も13年もしっかり生き様があった。
軽蔑を通り越して、憎しみだけだった家族が、父の触れられない一面を覗けたとき、新しい感情が湧いてきます。 しかし母はこの場所にはいないのが、何とも切ないんですが、でも最後のワンシーン、これがなかなか心を打つんですね。
齋藤君、監督初作品で凄い作品を撮りました。

イメージ 1
幼い頃のコウジと父

イメージ 2
余命わずかな父

イメージ 3
彼ひとり会いに行く

イメージ 4
しかしこれっきりにしようとするコウジ

イメージ 5
そして葬式

イメージ 6
弔問客が生前の父の話をし始める

イメージ 7