1972年4月11日。 大統領選挙203日前。 FBI副長官マーク・フェルト(リーアム・ニーソン)は、ディーン大統領顧問(マイケル・C・ホール)から、40年間、FBIに君臨し続けるフーバー長官の退任について相談を受ける。 だが、フーバーに忠誠を誓うフェルトは、FBIに集まるあらゆる情報を記した極秘の “メモ” の存在を仄めかし、逆に顧問たちをけん制するのだった。
しかしそんなFBIに激震が走る。 フーバー長官が死去してしまった。 動揺する局内に、フェルトがまず行ったことは、フーバーに関する極秘書類を抹消することだった。 職員総出で一切の資料を廃棄した後、大統領側から資料の提出を求められるが、そんなものは存在しないとはねつけることに成功する。
しかし、ホワイトハウスも反撃に転じる。 司法次官のパトリック・グレイ(マートン・ソーカス)が長官代理に抜擢してくる。 今まで生え抜きしか近寄れないFBI中枢部に、全くの外様の次期長官がやってくるのだった。 自分が次期長官だと信じていたフェルトはその事実に愕然とする。
そして何よりも失望したのは彼の妻のオードリー(ダイアン・レイン)だった。 今まで夫が長官になるために様々なことに耐えてきたが、もう彼にFBIを辞めてはときいてくる。 しかしフェルトは、信頼のおける長官が任に着くまでと妻に言うのだった。 しかしそれはワシントンとの戦いを意味するのだった。
大統領選挙133日前。 ウォーターゲート・ホテルの民主党本部に侵入した男たちが逮捕される事件が発生。 捜査を開始したフェルトは、グレイから48時間以内の解決を命じられる。 マスコミを利用して捜査継続を目論むフェルトは、TIME誌の記者サンディ・スミス(ブルース・グリーンウッド)と接触し、捜査情報をリーク。 さらに、ワシントン・ポストにも電話を入れる。
やがてワシントン・ポスト紙に、ウォーターゲート事件は元CIA職員による盗聴事件だとの記事が掲載される。 TIME誌でもFBIが真相隠蔽を画策したとの記事が出るという情報が。
捜査情報のリークを巡って混乱するFBI。 捜査を巡ってディーン大統領顧問と対立したフェルトは、例え相手が大統領であったとしても、犯罪を放置することは出来ないと決意を固める。 だが、CIAの捜査は中止され、FBIにも捜査打ち切りが命じられる。 それでも、真実を突き止めるまでの捜査は止めないと捜査官たちに熱く語る フェルト。
そして、大統領選挙直前になって、“ディープ・スロート” と名付けた謎の情報提供者から得た情報に基づき、“ウォーターゲート事件は政権によるスパイ工作だった”との記事がワシントン・ポスト紙に掲載されるが…
アメリカ史上、任期中に辞任をした大統領は、ニクソンだけと言われています。 それだけ大きなスキャンダルだったんですね。 まあこの作品を観ると、なんとなく当時のFBIとワシントンの関係から、察することができますね。
主演はリーアム・ニーソン、近作は 「オペレーション・クロマイト」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/15155777.html を見ていますが、主演作がまた公開予定です。
そして長官代理役でマートン・ソーカス、「ラビング 愛という名前のふたり」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14784640.html に出演、マートン・チョーカシュという日本語表記もあります。
物語は、今まで長い間実権を振るっていたフーバー長官の死を発端に、揺れ動くFBIを描いた作品ですね。 今まで1枚岩だったFBI、しかしその実態はえげつない裏の部分もあったようで、表をフェルトが、そして裏をビル・サリバンが請け負っていたと描かれていますね。 しかし時代はだんだん裏の仕事を許さない雰囲気になって行き、ビル・サリバンは冷遇されている感じでしたが、ここにきて反撃に転じてきます。
フェルトは、ここで機密情報をリークすることで、大統領陣営を逆に揺さぶる手を打って行きますが、マスコミもおっかなびっくり、なかなか決定打を打つのを躊躇している感じを受けます。
“ディープ・スロート” と言う言葉はこの一連の事件から出てきた言葉で、元々性的な隠語で、“喉の奥” というそうですね。 「X-ファイル」 でもこういう人物が出てきて、モルダーにいろいろ支持をして死んで行きますが、長いことこの正体がわからなかったそうで、面白いアメリカンジョークから生まれた言葉ですね。
渋い作品ですが、こういう社会派を演じるリーアムも良いもんです。
フーバー長官と二人三脚だったフェルト
しかし長官の死により激動
グレイが長官代理に
がっかりする妻オードリー
しかしウオーター事件が起き、彼の戦いがヒートアップする
マスコミにリークを繰り返す