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愛人/ラマン

1992年作品、ジャン・ジャック・アノー監督、ジェーン・マーチ レオン・カーファイ フレデリック・マイニンガー アルノー・ジョヴァニネッテイ出演。

1929年、フランスの植民地インドシナ(現在のヴェトナム)。 メコン川をゆったりと渡る船の上で、田舎町サデックの自宅から寄宿舎のあるサイゴンに帰る途中の少女(ジェーン・マーチ)に、黒いリムジンから降りてきた中国人の男性(レオン・カーフェイ)が声をかけた。
男は32歳で、この植民地で民間不動産の全てを掌握している華僑資本家の息子だという。 少女は何となく興味をひかれ、男の車に乗り込んだ。 その日から男は毎日リムジンで少女の学校の送り迎えのために現れた。
ある日、少女は誘われるままに、中華街ショロン地区の騒がしい通りにある薄暗い部屋に連れていかれる。 秘密めいたその部屋で、少女は誘うように男を求め、男は少女を抱 いた。 こうして始まった2人の 愛人関係は、誰にも知られることなく続いていく。
少女の父親は植民地で死に、母親(フレデリック・マイニンガー)が貯金をはたいて買った土地は詐欺にあい耕作不能地であった。 生きていくために母親は小学校を経営しているが、上の兄(アルノー・ジョヴァニネッテイ)は阿片で働く意欲を失い、下の兄(メルヴィル・プポー)をいじめ抜いている。 異国の地での貧しい暮らしに家族の心はすっかり荒んでいた。
母親は娘の変化に気づきながらも、娘を通して金品を援助してくれる男を黙認するしかなかった。 激しい欲望に引きずられるように重ねてきた2人の逢瀬だったが、ピリオドを打つ時がやってきた・・・

戦前のヴェトナムが舞台のこの作品、個人名が明かされない面白い作品で すね。
監督はジャン・ジャック・アノー、私ははじめて作品を見ますが、見たい作品がいくつかある監督です。
主演はジェーン・マーチ、私が見た作品は 「ジャック・ザ・ジャイアントキラー 空飛ぶ城と天空の王国」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14685275.html です。
そしてレオン・カーフェイ、多くの出演作がありますが、私はかすっていませんね。

物語は、フランスの統治下にあるヴェトナムですね。 いくら裕福な存在でも、アジア人に対する差別的な意識が強い少女の家族、しかし少女を愛してしまったことから、一途に尽くす華僑の青年。 ここがなかなか、人種が相容れない感じがします。
この家族は父親を失い、この地で生きていくしかなくなったようです。 そして一番しっかりしなくてはいけない長男が、阿片に染まってしまい、どうしようもない存在になっています。
少女はただ毎日をぼんやり生きているという時に、この華僑の青年と出会うんですね。 船での出会いは何となくいいですね。 その船のシーンが後半にもやってきます。 しかしもうそれは寂しいシチュエーションに変わっているんですね。
華僑は世界に広がり、いろんなところでしっかり商売をして財を成している人間が多いようですね。 映画の世界でも多く見られますが、戦前のヴェトナムでは、やはりちょっと一段下に見られていたようですね。
食事のシーンが本当に露骨です。 御馳走しているのに一切言葉を交わさず、ただひたすら食いまくっている彼女の家族、人種が違うにしても失礼極まりない態度、さすがにここで青年は怒りますが。
フランスは、後に大戦がはじまり、アジアから撤退を余儀なくされます。 今の独立国家ヴェトナムの姿は、この作品からはどこまで感じ取れるんでしょうかね?

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華僑の青年が声を掛ける

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まだ幼いが美しい少女

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そして車に乗せ送り迎えをし始める

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そして二人は密かにつき会い始める

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離れられなくなる二人

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本格的に愛し始めるが

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