anttiorbの映画、映像の世界

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今夜、ロマンス劇場で

2018年作品、武内英樹監督、綾瀬はるか 坂口健太郎 本田翼 北村一輝出演。

病院に入院している老人(加藤剛)は、そろそろお迎えがせまっていることを予期していた。 そんな中、看護師の吉川天音(石橋杏奈)は、なかなか来ない家族のことを気にかけていた。 たった一人お見舞いに来る孫娘は、あまり甲斐甲斐しく世話を焼こうとしない。 冷たい孫だと周りの人に思われている。
そんな時、吉川は彼が映画の脚本家だったことを知る。 そして彼自身が監督をする予定だった脚本の話を聞くことになる。
時は1960年。 まだ大衆にとっての一番の娯楽が映画だった頃。 牧野健司(坂口健太郎)の夢は、映画監督になることだった。 田舎から出てきて早7年、助監督とは名ばかりで健司の仕事は雑用ばかり。 仲間が次々と去っていく中、健司は夢のために歯を食いしばって日々の辛い仕事に耐えていた。
そんな健司にとって毎日の一番の楽しみは仕事終わりの 「ロマンス劇場」 だった。 館主の本多(柄本明)と懇意にしている健司は、閉館後の映画館 「ロマンス劇場」で好きな映画を観ることができる。 といっても、健司が観るのは1本のモノクロ映画だけだ。
タイトルは 「お転婆姫と三獣士」、廃棄扱いのB級映画だが、健司にとっては何にも代えがたい最高の作品だ。 その理由は、ヒロインである絶世の美女にしておてんば王女の 『美雪』(綾瀬はるか)だった。 最初に美雪の姿を見た瞬間、健司は一瞬で恋に落ちた。 美雪を演じる女優はその1本にしか出演しておらず、しかもすでに亡くなっている。
健司にとっては映画の中の 『美雪』 の存在だけが癒しだった。 物語はお城の中で退屈な王女が抜け出すお話、しかし途中で3匹の家来と出会い冒険をする展開に、チープな内容だが、彼女を見るだけで健司は満足だった。 そして、叶うなら、一目だけでも本物の彼女に会ってみたい、健司はそう思わずにはいられなかったが、もちろんそれは叶わぬ願いだった。
ある日、健司は、まさに踏んだり蹴ったりだった。 仕事ではミスをして大スターの俊藤(北村一輝)を怒らせてしまったし、何よりショックだったのは 「お転婆姫と三獣士」 がコレクターに売られることになってしまったことだ。 誰も見なくなったフィルムだが、マニアではお宝だというのだ。
せめて最後にしっかりと目に焼き付けておきたいと、健司は劇場で 「お転婆姫と三獣士」 を観ることにした。
その時だった。 突然の雷鳴、そして停電 。劇場が異様な雰囲気に包まれる。 前方に何やら動く人影が…

この作品も長いこと予告編が流れていて、設定は何気なくみなが知っている感じでした。 しかし今作は大きな感動をさせてくれます。
主演は綾瀬はるか、近作は 「本能寺ホテル」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14691292.html となります。
そして坂口健太郎、映画にテレビに売れていますが、近作は 「ナラタージュ」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/15179117.html です。
物語は映画から飛び出してきたおてんば王女のお話ですね。一見、「ローマの休日」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14291817.html か? と思いますが、しかしこの元の映画での彼女の役は、ただのおてんばでなく、気が強く、超高飛車なんです。 だから彼女は、彼のことをなんと “しもべ” と呼ぶんですね。
しかし憧れの人が実際に出てきたことで、健司は彼女の一切の面倒を見るだけでなく、どんな命令、わがままも聞いてあげるんですね。 でも健司は京映の社長の娘:成瀬塔子に惚れられているんです。 彼女は健司に監督をやらせたいがために、若手助監督たちに脚本を書かせ、採用になったら監督をさせるという企画をするんですね。 才能豊かな健司がきっと勝つだろう、そして見事健司がいい脚本を書くんですが。 本田翼が演じています。
この作品は、入院している老人の思い出と、シナリオを話すということで展開していきます。 見ていきながらこの老人がいったい誰なのかがわかってきますが、それでもあのラストは見事でしたね。
どうして彼女は現実世界に出てきたのか? そしてこういうことは初めて起きたのか? よく練られたシナリオですし、超高ビーの彼女が最後可愛く思えてくる感動のラストでした。
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彼の思い出の物語

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京映の若手助監督の健司と山中

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大スターの俊藤

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彼の憩いの場はロマンス劇場

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社長の娘は健司のとこが好きだった

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そして最後の日、彼女が画面から飛び出してくる

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