anttiorbの映画、映像の世界

不定期で、旅ブログも立ち上げます!

不能犯


“人が死に及んだ行為でも、殺せる可能性がなければ、罪にならない それが不能犯である”。 
女子高校生の間で語られている都市伝説の一つに、ある電話ボックスに殺人の依頼を残しておくとどこからともなく男が現れ、標的を確実に死に至らしめるというものがあった。 しかしその依頼が純粋でないと、依頼者にも災いが及ぶというのだった。
巷では、検死をしても何一つ証拠が出てこない不可解な変死事件が連続して発生していた。
木島功(水上剣星)が都内のバーにいるところに黒いスーツの男(松坂桃李)が現れる。 男は木島に 「自分が死ぬ瞬間ってって想像したことある?」 と尋ねる。 木島は 「何それ?分からないが・・・」 と答えた瞬間、男は木島にガムシロップをかけ、1本の瓶を取り出す。 木島が見たのはその瓶にいた、無数のスズメバチだった。 木島は急に苦しみだし息絶えてしまう。
警察官である多田友子(沢尻エリカ)と百々瀬麻雄(新田真剣佑)が事件現場に駆け付けたところ、木島はガムシロップの入った水を飲んだ後に亡くなったことが防犯カメラで分かる。 飲んだ水に男が毒を入れて殺したのではないかと疑うが、毒物は混入されていなかった。 死因は心筋梗塞だった。 しかし顔はなにかに刺されたような水ぶくれができていた。
一方、新婚でラブラブホヤホヤの羽根田健(忍成修吾)と妻・桃香水上京香)だが、隣の家に住む島森広志(小林稔侍)に監視されていると感じていた。 そして島森は、羽根田家のごみを調べていて、ペットボトルが入っているので、燃えるごみを捨てる日をしっかり守ってほしいと嫌味っぽく健に言うのだった。
そしてとうとう事件が起きる。 健の留守中に桃香が島森に強姦されたと彼女が泣きながら訴えるのだった。 あざだらけの怪我を負わせられた妻から事情を聞いた健は、島森に抗議に行くが逆に開き直られ、とうとう電話ボックスに依頼を出してしまう。
男は、島森を公園で殺すのだが、島森はやつらの手先なのかという謎の言葉を残して死んでいく。 殺した後、黒スーツの男は健に 「今日はこれから出張ということですが、奥さんを襲った醜い相手が死んだ記念日です、一度家に戻った方が奥さんも喜ばれると思います」 と言われ自宅に戻る。
しかしそこでは、見知らぬ男を家に連れ込んで麻薬づけとなっている妻の姿があった。 その男は仲間として慕うパートナーで、聞けば、妻が麻薬の注射器をゴミ捨てに出したことが島森に見つかり、問い詰められ、抵抗してあざだらけになったというのが真相だった。
健はそこにいた女二人と男をなぐり殺してしまうが、彼は桃香に包丁で刺され、桃香も彼に殴り殺されてしまうのだった。
それを家の外から見守る男の姿があった。 多田と百々瀬はまたしても、バーの監視カメラにいた黒スーツの男が殺人の現場にいたとして不思議に思い、任意同行を求めるのだった。 彼は宇相吹正と名乗り、彼の姿が必ず見受けられ目撃されていると言う情報から、多田の同僚の夜目(矢田亜希子)は彼から事情を聞くため、取り調べを始めるのだったが…

謎の超能力男、取ってつけた名前も偽名としか考えられませんし、そもそも人間とも思えませんが。
監督は白石晃士、私は監督作品はコンプリートを目指していますが、今回は原作ありのメジャー作品ということで、前作の 「貞子vs伽椰子」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14235882.html に引き続き公開規模の大きな作品の監督ですね。
物語は、物理的な証拠を一切残さない、犯罪の証明が出来ない殺人、“不能犯” といわれるんですが、意味としては「行為の性質上、結果発生がおよそ不能な場合をいう。 実行行為性を欠くので未遂にもならず不可罰といわれる。」 とのことですね。 “呪い” や特殊能力での殺人は、これに属するということでしょうね。
物語は、謎の黒スーツの男:宇相吹正、彼は依頼された殺人を自らの特殊能力、一種のマインドコントロールで100%成し遂げていくんですが、依頼者の動機が不純なものについては、必ず報いを受けるという激しいものなんですね。
そもそも呪いをかけるっていうのは、「人を呪わば穴二つ」 というくらい、“人を呪わば穴二つとは、人に害を与えようとすれば、やがて自分も害を受けるようになる” といわれているくらい、必ず自分にも降りかかってくる。 純粋な呪いなんてないと思います。
ただ、この作品では、自分に降りかからないのは、とんでもない悪徳業者、巨悪裏犯罪者に対しては、跳ね返ってこない感じですね。
また、この宇相吹正は、依頼を受けないと殺さない法則があることがわかります。 自分は攻撃されても、あくまでも依頼を受けた対象者しか、殺さない感じなんですね。 ある意味誠実なんですが(^^)
どうしても人を憎まず生きていくことは難しい、そんな現代社会ならではのお話だと思います。

イメージ 1
謎の黒スーツの男

イメージ 2
不審な死亡事件を調べる二人

イメージ 3
多田の憩いの場

イメージ 4
次のターゲット

イメージ 5
そして男のは宇相吹

イメージ 6
そして警察で彼の取調べがはじまるが

イメージ 7