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その夜の侍

2012年作品、赤堀雅秋監督、堺雅人 山田孝之 綾野剛 谷村美月出演。

トラックと自転車が見えづらいガード下の交差点で衝突した。 運転をしていたのは木島宏(山田孝之)で、助手席に乗っていたのが小林(綾野剛)だった。 小林は、動かない女性を心配して血が出ていないので、警察に通報して、救急車を呼ぼうと言うが、木島は真っ平ごめんというそぶりでそこから逃げてしまう。
東京のはずれで小さな鉄工所を営む中村健一(堺雅人)は、5年前、トラック運転手に最愛の妻久子(坂井真紀)をひき逃げされた。 死んだ妻の思い出から抜け出せず、留守番電話に遺された妻の声を延々再生しながら糖尿病気味にも関わらず甘いプリンを食べ続けている。
喪失感を抱え絶望的な毎日を過ごす中村に、従業員の久保(高橋努)や佐藤(でんでん)たちは、腫れ物に触るように接するしかない。 久子の兄で中学校教員の青木(新井浩文)は、中村を早く立ち直らせようと、同僚の川村(山田キヌヲ)と見合いをさせるが、中村は 「僕なんかあなたにふさわしくない」 と新しい人生に向かうことを拒絶する。
一方、久子をひき逃げした犯人、木島宏(山田孝之)は、2年間の服役後、ひき逃げトラックに同乗していた腐れ縁の友人小林(綾野剛)の家に転がり込んでいる。 そんな木島のもとに、1ヶ月前から 「お前を殺して俺も死ぬ。決行まで後○日」 という無記名の脅迫状が連日執拗に送られてきていた。
決行日は木島が中村の妻を轢いた日で、もう数日後に迫っている。 木島から脅迫状のことを知らされた青木は、脅迫状を送っているのは中村と察し、復讐の決行をやめさせようとするが、中村を前にすると何も言えなくなってしまう。 そんな中、中村は鉄工所の仕事の合間、包丁をしのばせた袋を手に毎日のように木島をストーキングし続けていた。
決行前夜。 ラブホテルでホテトル嬢のミカ(安藤サクラ)と過ごし、虚しさをさらに募らせる中村。 一方、木島は復讐を思い留めさせられない青木に腹を立て、生き埋めにすると脅すのだった。 そして決行日の夜。 台風の激しい雨が町を覆っている。歩き回ったあげく、人気の無いグラウンドまでやってきた木島は、闇の中、後を追いかけてきた中村と遂に対峙する…

妻への復讐を誓う、たった一人残された男の物語ですね。
監督は赤堀雅秋、「葛城事件」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14326725.html を見ています。 今作もどんよりした作品でした。
主演は堺雅人、映画作品は、「北の桜守」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/15426419.html ですね。母と次男坊の悲しい物語でした。
そして山田孝之、「50回目のファーストキス」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/15542288.html は良い役でしたね。 リメイクですがいい邦画となっていました。

物語は、理不尽な引き逃げで、妻を殺された男の物語ですね。 小さな鉄工所の社長をしているんですが、仕事はしていても、心が死んでいる中村。 毎日もうすっかり暗記をしてしまうほど、妻の留守電を聞いている姿は、逆に怖くなるほどですね。
一方、木島は結局捕まって、刑務所に2年間入っていましたが、全く反省の色はありません。 自分のことしか考えず、弱いものには徹底的にたかり、利用する、人間のくずのような男です。
そして木島に対して脅迫まがいのメッセージを送る中村、そこに中村の義理の弟、青木が絡んでくるんですね。 なぜか青木は中村と接点を取ります。 これが不思議なんですよね。
これは単なる復讐物ではないんですね。 ひとりの人生を狂わされた人間、さらには狂わせた人間の決着のドラマですね。 だからといって劇的な展開にもならない、ちょっとけじめをつけた感じのお話になっています。

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空っぽになってしまった中村

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この二人が妻を轢き殺してしまう

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心配する義弟

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しかし彼は木島とも

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自分勝手な男

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