雨の日、会社で残業中が泉（有村架純）が友人と電話をしていた。 彼女は高校時代の友人の山田志緒（大西礼芳）、電話の奥で赤ん坊の声がした。 会社の同僚の宮沢慶太（瀬戸康史）が、遅くに帰ってきた。 泉が窓から外を眺めていると、葉山は泉がもっている懐中時計をみつけて、大事な人からの贈り物なのか質問をする。
この懐中時計は葉山（松本潤）とお別れする時にもらったものだった。 泉は大学生の頃に葉山や高校演劇部の仲間と再会した時のことを思い出していた。
葉山が顧問を務める演劇部がある高校を卒業して、大学生になった泉。 大学生活を送っているある日、葉山から電話があった。 心のどこかでずっと待っていた電話だったが、突然すぎてなかなか電話に出れない。
「工藤さんの携帯電話ですか？」 ずっと待ち続けていた、葉山の懐かしい声だった。 電話に出ても何といっていいかわからず、無言になる泉だった。 葉山は、現在の高校の演劇部では部員が足りないため、学園祭の舞台へゲストとして演劇に参加してほしいと依頼するための電話だった。
泉は葉山の依頼を引き受け、久しぶりに高校に顔を出した。 そこには、親友の志緒や演劇部の仲間の黒川（古舘佑太郎）、後輩のみんなが集まっていた。 もちろん葉山も一緒だ。 変わってない。
もうひとり、黒川が大学の友人で演劇経験者だという小野（坂口健太郎）を連れてきていた。 ここで、みんなと小野ははじめて会った。
葉山は、泉が高校時代に事情により親友がいなくなってから、居場所がなくなっていた時に演劇部に誘ってくれたのだった。 いじめのような体験をしていたことがあった。 体育の授業を休んで授業を見学をしている時に、他の女子生徒からプールに飛び込むように強要され、制服のままプールに飛び込んだのだった。
それを体育の教師は、泉が自分で進んでやったとして厳しく怒っていたところを、偶然通りかかった葉山が、制服ごと全身びしょ濡れの泉を見て、ただ事ではないことを感じた。
泉が自分でプールに飛び込んだと言う体育の教師に対して、「工藤がそんなことするはずないだろう！プールに飛び込むところを見たのかっ？」 葉山は、体育教師の胸ぐらをつかんで問いただし、抗議した。
泉のために一所懸命になってくれた。 それから、泉はなにかと悩みがあると葉山のいる社会科準備室に行った。 いつしか、悩みが無くても行くようになり、昼休みに行くのが日課のようになっていた。 そして、卒業式の日にはキスをした。
恋人ではないが、教師と生徒でもない、そんな関係だった。 泉は、いまだに葉山への想 いを断ち切れていなかった。
小野は、そんなことは知らずに泉に恋をした。 しかし小野に告白されても、泉はどうしても葉山のことが忘れられず、断ってしまう。 そんな関係が文化祭が終わるまで続いていったのだった・・・
行定監督作品は、「ピンクとグレー」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/13910255.html 以来ですが、「つやのよる」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/11375708.html 「真夜中の五分前」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/12546156.html と印象強い作品をしっかり撮る監督ですね。
そして有村架純、「関ヶ原」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/15109747.html が近作ですが、ヒロイン役は久しぶりですね。 もうしっかり主演女優となりました。
物語は教師と生徒の恋愛作品ですね。 いやもしかしたら、女子生徒の片思いなのかもしれません。 しかしどう考えても、実らない恋という雰囲気の漂う物語でした。
教師としては、生徒のことをしっかり考えることできる葉山、しかし彼は妻と母との生活に失敗をしてしまいます。 妻の美雪は市川実日子が演じていますが、彼女は自宅に放火をしてしまい、放火犯でつかまってしまうんですね。
妻の異変に気がつかなかった葉山は、心に大きな穴が開いてしまうんですね。 そんな時に出会ってしまったのが泉でした。
男として彼の立ち振る舞いはちょっと納得できませんが、教師としては十分に誠意のある態度、なかなか難しい役を松本潤君が熱演していたってことですかね？ 儚く切ないのは泉でしたね。
外回りから帰ってきた宮澤に懐中時計のことを聞かれる
