1990年代後半に彗星のように現われた天才美少年作家、J.T.リロイ。 女装の男娼となった過去を赤裸々に綴った自伝はセレブたちをも虜にし、一躍時代の寵児となり、2作目の 『サラ、いつわりの祈り』 は2004年にアーシア・アルジェント監督によって映画化もされた。
ところが2006年、J.T.リロイは架空の人物で、その自伝とされた物語は、サンフランシスコ在住の40歳女性、ローラ・アルバートによる完全はフィクションだったことがニューヨーク・タイムズの記事で明らかとなる。
本作は全米を揺るがしたこの文学スキャンダルの真相を、彼女自身の言葉と、ガス・ヴァン・サントやトム・ウェイツはじめセレブたちとの通話音声や留守電メッセージをもとに解き明かしていくドキュメン タリー・・・
“Jeremiah "Terminator" LeRoy” 子供がネーミングしたような名前で90年代後半にいきなり現れた天才少年作家。 彼(彼女)の著作は、「Sarah(サラ、神に背いた少年)」 「 The Heart Is Deceitful Above All Things(サラ、いつわりの祈り)」、「サラ、いつわりの祈り」 は映画化にもなっていますね。
さらに2作品ありますが、その頃はもう記者によって真実が暴かれていくときと重なっています。
今作品はドキュメンタリーという手法の作品なんですが、実際の実在人物画当時の映像ではっきり残っているので、大変興味深いところ。
そしてよく撮っておいたなあという電話記録、マイクロカセットから流れる各著名人とのやり取りはなかなかの真実味があり、実際に今起こっている状況に感じるほどですね。
本当の姿はローラ・アルバートという女性作家。 本人はこの作品のために来日し、鑑賞の前日に心境を述べたそうですが、10年間誹謗中傷の中生きてきて、彼女のここまでの人生を語るうえで、この作品を見てもらう事で、自分の心境を理解してくれるのではといっていたそうです。
ドキュメンタリーなんですが、中盤まで、一体どこまでが虚像で、どれが本当に人物かがわかり辛いんですね。 小説の中の “サラ”、そして作者であるこれも実際にはいないJ.T.リロイ、もっと話が複雑になって行くのは、本当の作者のローラ自身もアーティストとして段々有名になって行くからなんですね。
太った体系がコンプレックスだった若い頃までの彼女は、手術を受け体系が劇的に変わります。 そこから、リロイの保護者、マネージャーからだんだんと姿がにじみ出てくる。 いつかは、正体が暴かれる、それは彼女の心の内の本当の希望にどうしても見えてくるんですね。
映画化になった 「サラ、いつわりの祈り」 は、アーシア・アルジェント監督で映画化になっていますから、いつか見る機会があるかもしれませんね。
公に姿を現すT.J.リロイ
多くの著名人と親交ができる
本人も大注目に
そして本当の著者がマネージャーに
そして本人がにじみ出てくる