anttiorbの映画、映像の世界

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大怪獣バラン

1958年作品、本多猪四郎監督、円谷英二特撮監督、野村浩三、園田あゆみ、千田是也出演。

北上川の上流、高山地帯の僻地で、めずらしい種類の蝶が採集された。 杉本生物研究所の杉本博士(千田是也)は、新庄(伊藤久哉)、河田(桐野洋雄)両所員を現地に派遣、実態調査を命じた。 二人は原始林の奥深く入り、地図にもない湖を発見、そこで蝶を採集したが、その時、巨大な怪獣が襲いかかり、彼らは無惨な最後をとげた。
地元民は神の怒りだと怖れおののいた。 杉本博士の助手、魚崎(野村浩三)、兄の死因をさぐろうとする新庄由利子(園田あゆみ)、カメラマン堀口(松尾文人)の三人はこの謎をとくべく現地へ向う。
魚崎は今の世の中、神の怒りなどあり得ないとかたくなに信じていた。 しかし、外部から隔絶された排他的で独自の神をあがめている岩屋村の人々たちは、婆羅陀魏山神の他祟りを鎮めようと、誰もがお面を被り必死に祈っていた。 もちろん子供も例外ではなかった。
魚崎は迷信だと必死に説明をするが、岩屋部落の神主(瀬良明)たちは聞く耳を持たず祈りを続けようとする。 そんな中、村の少年源(伊藤隆)の飼っている犬が、危険で策を張っている外に走って行ってしまう。 犬を追いかけ源もそこに侵入するが、誰も怖がって助けに行かないのだった。
3人は子供の命のために、策を越え源を助けに行くのだった。
そして、例の湖で大怪獣に出会った。 バラノポーダ・バランだった。 三人は必死に逃げた。 バランは集落を蹂躙し、再び湖水へ姿を消した。 バランの大都会侵入を阻止するため、学界、防衛庁を中心に緊急会議が開かれ、現地駐屯部隊が一斉攻撃 を開始することになった…

監督が本多猪四郎、特撮部分を円谷英二が担当しています。 東宝の怪獣シリーズの7作目の位置づけでしょうか、怪獣が登場する作品だと、重複なしでは6作目にあたる感じです。
ゴジラアンギラスラドン、モゲラ(ロボットですが)そしてこのバランで、比較的初期の怪獣であり、その後の昭和ゴジラシリーズでは、ほとんど登場しない、ほぼ幻の怪獣でしたね。
地上波放送もあまりされないこの作品、一旦出たビデオもすぐに中止となったある意味曰くつきの作品でした。 まあ今はDVDが出ていますんで、比較的見やすくはなっていますが。
物語は、中生代の恐竜バラノポーダの生き残りで、この部落であがめられていた存在として登場します。 後の資料は怪獣図鑑では 、「爬虫類ゴジララドン科バラノポーダ」 とされているそうです(^^)
確かにこの怪獣は、基本4本足で湖から登場し行動しますが、二本足歩行も可能、そしてムササビのような飛膜を広げて滑空することもできるという優れた特徴を持っていますし、ほぼ当時の爆薬等は全く効かないという強い怪獣ですね。 じゃあどうやって倒すのか? それは杉本博士と、化学分野の藤村博士との協力で、バランを粉砕していくんですが。
まあこの作品がどうしてソフトがいったん消失したのか? それは部落表現だったことがわかります。 昔の作品には、“部落” とか “日本のチベット” という表現がよく使われ、それが差別的だとされ、放送は、ビデオが作られない、回収されてしまう、発売中止になることが多々行われていました。
東宝作品、特撮作品も例外ではなく、まったくソフト化にならない 「獣人雪男」 という未知の作品もありますね。
昔は、よくオークションで闇のソフトが出回っていましたが、今はもうそういう事も出来なくなり、見る機会は、どこかの劇場で上映してくれないとです。
まあ、悪意を持った差別表現ならそれはそうする措置も仕方がないですが、そう意図が無いならいつかソフト化をしてほしい作品。 そういうのはまだありますがね。

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日本の秘境

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湖からバランが

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3人は調査に向かうが

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ムササビのように飛ぶバラン

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そして破壊を尽くす

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