anttiorbの映画、映像の世界

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たかが世界の終わり

2016年作品、グザヴィエ・ドラン監督、ナタリー・バイ、ヴァンサン・カッセルマリオン・コティヤール、レア・セドゥ、ギャスパー・ウリエル出演。

ルイ(ギャスパー・ウリエル)は飛行機に乗っていた。 彼は12年ぶりに故郷に帰ってきたのだった。 家を出て、今まで頑なに帰ろうとしなかったルイは、ゲイが多く住んでいる地区にいたこともあり、家族とはお互いに距離を置いていたのだった。
34歳の作家ルイ。 彼は帰る事だけを伝え、タクシーで家までやって来た。 一番ルイの帰りを喜んだのは、妹のシュザンヌ(レア・セドゥ)だった。 彼女がまだ幼い時に家を出たので、兄のルイのことはあまり知らないのが正直なところだった。
母・マルティーヌ(ナタリー・バイ)はばっちり化粧をして着飾り、ルイの帰りを待っていた。 もちろん料理も用意して。 また兄の妻のカトリーヌ(マリオン・コティヤール)は、ルイとは初対面だった。 ぎこちない会話が続く中、お互いなかなかの距離感を感じていた。
しかし一番ぎこちなかったのが兄のアントワーヌ(ヴァンサン・カッセル)だった。 歓迎ムードの女性たちの中、ただ一人なにかに掛けて突っかかってきて、その度に窘められいじけて行ってしまう。
ルイは一体何のために帰ってきたのか? 食事の前に白ワインを、勧められ飲んだ後、彼はトイレで激しく嘔吐してしまう。 そして携帯で誰かと会話をしていた。 ここにはあまり長居をしないこと、そして用件を話したとき家族の反応を気にしていると必死に言っているのだった。
天気が良いので、テラスでランチをすることにした5人、天気もいいのでどこか行きたいところはないのかと聞くと、ルイは昔住んでいた家に行きたいと言い出す。
しかしそれをアントワーヌが難癖をつけ猛反対をするのだった。 そしてせっかく会話が進みだしたのだが、そこで気まずくなりランチが終わってしまうのだった。 ルイは何となく話をするきっかけを逃し、兄がたばこを買いに行くと言うので強引について行こうとする。 しかしその車の中でも、アントワーヌは、ルイに話をさせないのだった。 きっかけをことごとく潰していくアントワーヌ、そして日も蔭っていくのだった…
監督はグザヴィエ・ドラン、「Mommy/マミー」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/13552129.html という衝撃的な作品を撮った若い監督、まだ27歳ですが、こういう人を“天才” というんでしょうかね?
主演のルイにギャスパー・ウリエル、私は未見ですが 「SAINT LAURENT/サンローラン」 で主演のイヴ・サン=ローランを演じているんですね。 
またその他が豪華ですね。 ベテランのナタリー・バイ、兄役のヴァンサン・カッセルは、「ジェイソン・ボーン」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14476614.html では殺し屋役、マリオン・コティヤールは 「マリアンヌ」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14740832.html でヒロイン役、レア・セドゥは 「007スペクター」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/13697958.html でボンドガール豪華なキャストですが、登場人物はほぼこの5人という事ですね。
物語は、ルイの帰省から始まります。 終始暗い表情のルイ、本人から12年ぶりに帰ってきたこと、そして会話の中から、ゲイ地区には今は住んでいないこと、そして何か病んでいることが明かされます。
そして今回は何か重大なことを話しに来たことがうかがえるんですね。 しかしそれぞれの家族の個々の人間が、それぞれの性格のもと、共通する対応をしている感じにだんだん見えてくるんですね。
それはただ一点、彼に核心的なことは話させないこと、そしてそれを一番過激に反応しているのが兄のアントワーヌなんですね。 感情をストレートに出すところ、弟に引け目を感じていること、しかし心の中では誰よりも弟を愛しているようにどうしても私には見えてしまいました。
最後猛烈な激しいやり取りになるシーンは、なぜかじわっと涙が出てくる、直接的な言葉には出さずとも、家族が誰しもルイが言いたいことがわかっている、そんな実は愛にあふれたドラマと私は感じましたが。

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12年ぶりに家族に会いに来たルイ

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まだ幼かった時に別れた妹

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兄夫婦

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家族とランチになる

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ルイは何かを伝えにきたのだが

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