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ザ・ファン


サンフランシスコ、4月。 中年のナイフのセールスマン、ギル(ロバート・デ・ニーロ)が熱狂的に応援する地元ジャイアンツの開幕試合の日が来た。 今年はブレーブスから4千万ドルで獲得した大物スラッガー、ボビー(ウェズリー・スナイプス)がホームタウンに戻ってきた。
ラジオの女性スポーツ・キャスター、ジュエル(エレン・バーキン)は番組中、ボビーにインタビューを試みた。 前年は故障者リストに入り春のキャンプにも参加していないボビーに、彼女が 「本当に4千万ドルに値するか」 と辛辣な質問をしたところ、番組に参加した視聴者代表のギルはボビーの偉大さをまくし立て、ファンとしてエールを送った。
一方、ラッキーナンバーが11番のボビーは、背番号が33番と知っ て激怒する。 その背番号は彼のライバル、プリモ(ベニチオ・デル・トロ)が付けていた。 ボビーは背番号を譲るようにエージェントのマニー(ジョン・レグイザモ)に交渉させるが、50万ドルという値をつけて断ってきた。
一方、生活が荒れていたギルは、仕事でせっぱつまっていた。 今月中に成績を上げなければ、しかるべき処置をすると言われていた。 彼の父親は会社に多大な貢献をした人物だったが、ギルは営業マンとしてどんどん衰えていたのだった。
そして狙っていた顧客とアポイントを取ろうとした時、その日は別れた妻エレン(パティ・ダーバンヴィル=クイン)の元にいる幼い息子リッチー(アンドリュー・J・ファークランド)と開幕戦を見にいく日だった。
ボビーはマニーからある面会のアポイントを入れられた。 それは重病の少年の病室で、見るからにもういくらも生きられない末期患者だった。 自分にも息子がいるボビーは、こんなアポイントを入れたマニーの激怒するが、その少年の開幕戦でホームランを打ってほしいという願いに、ベストを尽くすと約束をする。
ボビーは、開幕戦に “11” が付いたペンダントをして臨む。 しかし守備の時に、激突してしまい怪我をしてしまう。 その際に11番の部分を落としてしまうが、彼は約束したとおり、満塁でホームランを打った。
一方ギルは試合が始まったが、客と面会の予定を入れてしまい、試合に集中できない。 そしてリッチ―を一人残して客のところに行ってしまうが、相手は予定を変更して球場に行ったと聞かされて激怒する。 慌てて球場に戻るが、もうリッチ―は近くに座っていた老夫婦が家まで送ってくれていた。 無責任なギルの態度に、エレンは激怒し、接近禁止措置を取る。
一方、ボビー重病の少年のところに報告に行くが、少年はすでに亡くなっていたのだった。 ボビーはその後怪我の影響もあり、極度のスランプに陥り、うって変わってプリモは絶好調なのだった。
そしてギルは会社を解雇されてしまう…

20年前のデ・ニーロとスナイブス共演のサイコスリラーですね。 監督はトニー・スコット、4年前に残念ながら他界してしまいましたが、これは狂気の役をデ・ニーロ主演で撮った秀作だと思います。
なんでもできる彼ですが、どんどん落ちていく中年男性を、鬼気迫る感じで演じていますね。 逆にウェズリー・スナイプスプロ野球選手が、どうも線が細く見えるんですね。 アクション俳優として大きなイメージでしたが、格闘技に長けている彼も野球は苦手なんでしょうか? 役柄としても、今回は彼にしたら異質だったのかも。
物語はこの後、ギルがどんどん人生において転げ落ちて行きます。 そしてとうとう一線を越えていくんですね。
ナイフのセールスマンですから、凶器はいつも持っている。 恐ろしいですが、アメリカにはこういう取締りというか許可はどうなっているんでしょうか?
また今作にはベニチオ・デル・トロはプリモ役で、ジャック・ブラックが放送技師役で出演しているのが、なかなか貴重ですね。
行くところまで行った男の悲しい結末でした。

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ナイフのセールスをしているギル

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移籍し1年目、しかし背番号は11番ではなかったボビー

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しかし彼の成績はどん底

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息子と開幕戦に

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私生活も、仕事も失敗したギルはとうとう

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