anttiorbの映画、映像の世界

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手紙は憶えている


朝ベッドで目を覚ましたゼヴ(クリストファー・プラマー)。 隣には誰もいない。 妻のルースを呼ぶが、そこはある施設の部屋だった。
ここはニューヨークの療養所、そこの職員のポーラ(キム・ロバーツ)に、「奥さまは1週間前に亡くなっている」 と知らされる。 彼は寝てしまうと今までのことをすっかり忘れてしまう認知症だった。
朝食を取ろうと促されテーブルに着くと、車いすの老人・マックス(マーティン・ランドー)が近づいてくる。 そして二人きりにさせてほしいと周りを遠ざけ、彼は手紙を渡し、ひとりになってから読むように言われる。
封筒には数枚の手紙と現金、チケットが入っていた。 そしてその夜彼はこの施設を抜け出し、タクシーに乗り、駅に向かうのだった。 クリーブランドに向かう汽車に乗った。
前の席に座っている少年と会話をし始める。 ゼヴという名の意味は 「狼」 だなどと言いながら、彼は眠ってしまう。 目が覚めたゼヴは、またルースを呼び困った表情をし始める。 しかし少年が手紙のことを教えてくれ、それを読みまた自分を取り戻すゼヴだった。 そしてその時手に “手紙を読め” と書き込むのだった。
駅では前もって、車が手配してあった。 しかし彼がまず向かった先は、銃器店だった。 そこでグロックを買うゼヴ。 一応免許証を提示をさせられ、危険人物でないことがわかると、銃を受け取り、彼はある男のところに向かう。
一方施設ではぜヴがいなくなって騒ぎになっていた。 息子のチャールズ(ヘンリー・ツェニー)に連絡が入り、父が違いなくなったことに驚きを隠せなかった。
ゼヴが向かった先の男の名は、“ルディ・コランダー”。 しかしこれは偽名だった。 本名を隠し、ドイツから戦後アメリカに入国した元ナチの将校だった。 そして本名はオットーといい、今はルディと名乗り、アメリカで暮らしているのだった。
彼はルディと会い何をしようとするのだろうか?・・・

この作品も予告編を見た時から、是非行こうと決めていた作品。“衝撃のラスト!”といううたい文句はあまり好きではありませんが(^^) 確かに何かありそうな展開が期待される作品だと感じられました。
監督はアトム・エゴヤン、過去作は見たことが無いですが、おそらくこの監督作品は私の波動に合いますね。 
主演は86歳のクリストファー・プラマー、彼の出演作品は数多く見ています。 最近では 「しあわせはどこにある」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/13155078.html ハリウッド版 「ドラゴン・タトゥーの女」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/12808840.html にも出演していました。
物語のゼヴは、寝てしまうと直前のことはすっかり忘れてしまう。 ある日、マックスは、自分が思うように動けないので、ようやく1週間の妻の喪が明けたゼヴに、今まで託していたことを実行してもらうためにお金と、ある意味指令書のような手紙を渡すんですね。
すぐに忘れてしまうゼヴですが、その手紙には妻のルースが死んだこと、そして二人で約束していたある計画が書いてあり、その計画はルディ・コランダーという男を探し出すという事でした。
アメリカにドイツからやって来たルディは、実は4人いるんですね。 その一人一人確かめて、そして…というお話です。 ゼヴは作中90歳となっています。 そして療養所のマックスは、自室にこもりきり、定期的な報告が電話で彼から入るのを待っています。 そして電話の度に何か動機づけをさせている感じがするんですね。
ここにも、強制収容所アウシュヴィッツの話が出てきます。 ナチの戦犯に時効は無いそうです。 だから、ユダヤ人虐殺に携わった戦犯は見つかると、本国に送り返され裁かれるという事みたいですね。 しかしもうこの時代はもし生存者がいても高齢であり、実際にはドイツで裁こうにも不可能かもしれません。
謳い文句通り、ラストの5分は衝撃的でした。劇場はほぼ満員でしたが、誰しもが息をのみ、凍りつくという感じが伝わってきます。
恐ろしくもあり、しかしある意味納得せざるを得ない復讐劇でした。

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1週間の妻の喪があける

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マックスはある写真も添える

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まずは列車に乗り

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まずはこの男に

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ルディの息子に

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ピアノの腕前が素晴らしいゼヴ

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そして・・・

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