海沿いの小さなカフェに入るとそこにカウンターに、店主のミシェル(ニエル・アレストリュプ)がいた。 そしてここにホテルはあるかと聞くと 「横に座っているのがホテルのオーナー」 だと言われる。 オーナーのパトリス(リシャール・ボーランジェ)はこちらに挨拶をしてくる。
二人はここに滞在することにした。 部屋に着くなり、いきなり二人は配置換えをして、荷物をほどき始める。 ローランドが執筆活動をしやすくするためだった。
しかし、ローランドは村の小さなカフェに入り浸り、ヴァネッサはほとんどの時間をホテルの部屋で過ごしている生活になっていく。
ローランドの執筆は進まず、ヴァネッサの方は、外出するのは食料が無くなった時の買い出しに行くだけで、もっぱらバルコニーで座っているか部屋にいるだけ。
実は、過去に起きたある不幸な出来事が二人の心を引き離していたのだった。
ある日、夫妻の隣の部屋に若いカップル・フランソワ(メルヴィル・プポー)レア(メラニー・ロラン)がハネムーンでやってくる。 そして1日部屋にいるヴァネッサは、隣の部屋の間に穴が開いているのを発見するのだった。
そこから隣を覗くことができる。 ヴァネッサは夫が外出している間、そこから隣を覗くことが日課となっていくのだった…
この二人の競演作品は 「Mr.&Mrs. スミス」 ですが、この作品の大ヒットが、二人の結婚というか付き合いのきっかけになったそうですね。 お互い結婚歴があり、再婚同士が一緒になるまで数年を要しましたが、2012年婚約、2014年挙式、しかし…今離婚申請。 男と女は分からない物ですね。
そういう実生活のわかりやすい二人を見ていますと、今作は監督であるアンジーがどういう気持ちで撮ったのか? と思ってしまうのは、皆さん一緒ではないでしょうか? 私は絶えずそのことが頭から離れないで見ていました。
舞台は1970年代という事ですが、あまり時代は感じさせないドラマ。 とにかく避暑地での、時間が止まったような二人の生活がここで始まるんですね。
メリッサは元ダンサー、結構な有名人だったようで、彼女がほんの少し踊るシーンがありますが、それも一瞬。 あと謎めいたカットバックがフラッシュのように入るのが何かミステリーじみています。
登場人物はほぼ6人、二人のほかにカフェの主人、ホテルのオーナー、そして隣の新婚カップルですね。 新婚カップルのレア役にはメラニー・ロランが起用されていますが、彼女は最近多くの作品に起用されていますね。
「ミモザの島に消えた母」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14346335.html 「リスボンに誘われて」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/12744984.html など印象に残る役をしています。
二人の間に何があったのか? 怠惰な二人の暮らし、お金には不自由はしていなさそうですが、何か危ない匂いがするんですが。
しかし、この作品、どうしても何かスッキリしないんですよね。 超大物夫婦が実際の夫婦をしているんですが、たった一つのテーマで2時間引っ張られてしまう。
正直見ていて、二人の今の状態とも相通じる苦しい作品でした。
小説家のローランド
妻のヴァネッサ
ローランドはいつもミシェルのカフェに
隣に来た新婚のレアと
フランソワ