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エル・クラン

2015年作品、パブロ・トラペロ監督、ギレルモ・フランセーヤ、ピーター・ランサーニ出演。

1976年にホルヘ・ラファエル・ビデラ将軍がクーデターを起こし、史上最悪の独裁政治が行われたが、イギリスとの戦争に敗れ、1980年代アルゼンチンは、徐々に民主政治を取り戻していた時代になっていった。
1983年、裕福で近所からも慕われるプッチオ家は父アルキメデス(ギレルモ・フランセーヤ)を筆頭に妻、息子3人、娘2人で幸せに暮らしていた。 しかし、マルビナス戦争フォークランド紛争)の結果、政府が転覆。 政府の情報管理官として働いていたアルキメデスは無職になってしまう。
息子のアレハンドロ(ピーター・ランザーニ)はラグビーの優秀な選手で、学校では家柄もあり彼は人気者であり、チームメートの信頼も厚かった。
ある日、長男アレハンドロは、同じラグビーチームの友人に車で家まで送ってもらっていた。 そこへ突然、見知らぬ車が割り込んでくる。 その車から出てきた銃を持った男たちは二人の頭に布を被せ、攫って行った。 友人は車のトランクへ、アレハンドロは助手席へ放り込まれた。 なぜか運転席の男は、乱暴されたアレハンドロを気遣う。 そこで覆面を取ったのは、父アルキメデスだった。
翌日、アレハンドロが練習場へ到着すると、チームメイトが誘拐されたことが既に広まっていたが、誰一人アレハンドロを疑っている様子はない。 皆、姿を消した友人を心配しており、複雑な心境になる。 犯人が捕まらず街に不安な空気が流れるなか、プッチオ家はいつもと変わらない生活をしていた。
夕飯の時間になると、アルキメデスは妻エピファニア(リリー・ポポヴィッチ)の作った料理を、キッチンではなく、2階の奥にある鍵のかかった部屋へと運んでいく。 なんとその部屋は、プッチオ家に特設された〈監禁部屋〉だったのだ。
アルキメデスは人質に対し、身代金を用意させるため、家族あてに手紙を書くよう指示をする。 その後、多額の身代金受け取りに成功したアルキメデスは、人質を監禁部屋から車のトランクへ運び、アレハンドロが見守るなかプッチオ家をあとにする。
しかし翌日、アレハンドロはチームメイトから衝撃の事実を告げられる。 なんと、人質になった友人は殺害されていたのだ。 その夜アルキメデスに理由を聞くと、人質から逆に脅され、家族を守るため仕方なく殺害したことを打ち明けられた。 さらに、「私を信じてほしい」 と次の “仕事” に向け、協力を仰ぐのだった。
そして父の犯行は続き、アレハンドロもだんだん父に協力していってしまうのだった…

この作品は実際にあった事件だという事ですね。 私は予告編のみを見て勝手にちょっと滑稽な犯罪家族の物語かと思っていましたが、とんでもない!結構えぐい作品でした。 アルゼンチンでは大ヒットした 「人生スイッチ」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/13299935.html を超える人気作で衝撃作と言われています。
監督はパブロ・トラペロ、まだ40代の若い監督、数作ありますが今作が一番の評価を受けヒットしたんでしょう。 主演のギレルモ・フランセーヤはコメディもやるそうですが、この作品では、空恐ろしい役柄を演じています。
息子のアレハンドロ役はピーター・ランザーニ、今作が映画デビューですが、今まではテレビ、舞台で活躍していたそうです。
裕福で大きな家ですが、全員が父の誘拐を知っていて協力していたわけではどうも無いようですね。 うすうす知っていたが知らない振りをして、あえてそのことに触れない、そんなところでしょうが、男兄弟は父の犯罪に否応でも協力させられていきます。 次男はいったん海外に行きしばらく音信不通となり帰国後は手伝いますし、三男は国外に行ったっきり帰らないんですね。
しかしアレハンドロに婚約者ができたことから、彼が仕事から抜け、それがアルキメデスの計画が狂うきっかけとなっていきます。 金をとった後にどうするのか? それは見なくても想像がつきますね。 顔を見られた人質を生かしておくわけがない。
政府に顔の効くアルキメデス、たとえ捕まっても釈放される自信があったんでしょうが、世の中はもう変わっていたことを知るのは後の事でした。

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裕福な家族のよう

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長男は有力なラグビー選手

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しかし父は誘拐犯

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身代金の電話

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アレハンドロに協力を頼むアルキメデス

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そして彼に恋人が

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